第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演40群 新型コロナウイルス感染症下の看護~看護職の心理②~

2022年11月9日(水) 15:30 〜 16:30 口演会場5 (103)

座長:植田 みゆき

[口演M-40-4] COVID-19 感染者受け入れ病棟でアプリコットナースサポートシステムを導入しての実践を振り返って

久保田 祐希 (大阪急性期・総合医療センター)

キーワード:アプリコットナースサポートシステム、COVID-19、継続教育

【抄録】
【目的】アプリコットナースサポートシステムを導入して、個々のスタッフが教育における役割を遂行できたかを明らかにする【方法】1.研究対象者:A センターCOVID-19 受け入れ病棟の看護師、2.データ収集期間:2021 年6 月~ 2022 年3 月、3.データ収集方法:研究参加者のうち2 年目看護師を被教育者とし、その人を中心に3 グループに分けた。グループ内にはリーダー、エルダー、メンター、プリセプターの役割を付与した。アプリコットナースサポートシステム(以下、ANSS)の書籍の評価表を元に作成した自己評価表と看護技術経験項目一覧表(以下、一覧表)を配布し、開始時、4、6、9 ヶ月後に対象者に自己で評価してもらい集計を行う。ANSS 導入後9 ヶ月後に、ANSS の書籍を参考に作成した自記式無記名の質問用紙を用いて調査を行う。4.データ分析方法:数値データは記述統計を行う。自由記載についてはテーマに沿った内容分析を行った。5.倫理的配慮:研究参加者には、研究の目的および方法、参加は自由、途中意思、結果の公表、プライバシーの保護、匿名性の保持、データ管理方法など文書を用いて同意を得た。また大阪急性期・総合医療センター倫理審査委員会の承認を得た。【結果】研究参加者は15 名。9 か月後に一覧表で経験できた項目は9 割に達した。エルダー、プリセプターには自己の教育への参加を自己評価表にて評価してもらい、開始時と9 か月後では、全ての項目で評価が上昇した。9 か月後に実施したアンケートでは、教育グループについて、サポート体制の質問では、負担が軽減したなどの意見があり評価が高かった。一覧表の導入についての質問でも評価が高かった。教育グループでの教育への自由記載では<学習>と<対人>に大きく分類され、どちらの分類でも教育グループを導入して良かったと考えていた。自由記載では<教育グループ>と<基礎看護経験項目一覧表>に分類し、どちらの分類でも導入に対して肯定的に考えていた。【考察】今回、COVID-19 という未曽有の災害時であり、看護ケアにあたる看護師には大きなストレスがあると推測され、その中で教育も行っていかなければいけないという負担がANSS を導入したことで軽減できたと考える。また、各々の年代の看護師に役割を付与することでそれぞれが教育に対する自己の目標を認識し、課題を見出し取り組むことができたと考える。