第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演41群 チーム医療

Wed. Nov 9, 2022 9:30 AM - 10:30 AM 口演会場6 (104)

座長:鈴木 美央

[口演M-41-4] 看護補助者が看護チームの一員として安心して働ける職場作り

吉田 千恵子 (日本鋼管福山病院)

Keywords:看護管理者、看護補助者、協働体制

【抄録】
【目的】国は2040 年を見据え働き方改革を推進し、医療現場におけるタスク・シフティングが検討されている。その中で看護業務の効率化するために、看護補助者(以下補助者)との協働が必要になる。A 病院の補助者の概要は13 名を4 病棟に配置している。定期的な部署移動はなく、急に欠員時は経験年数の長い補助者が応援に行き不公平だと不満が出ていた。そこで、補助者の問題を調査すると、看護チームの一員として安心して働ける職場作りが必要であると感じた。1 年間行った看護補助者委員会の取り組みの効果を明らかにするため、補助者の意識調査を前後で比較し評価した。【方法】1. 対象者:補助者13 名2. 期間:令和3 年4 月~令和4 年3 月3. 調査方法:記述式調査方法4. 調査内容:1)個人属性2)業務上のストレス18 項目3)取り組みについて自由記載4)データ分析方法:記述統計5. 具体的取組み1)業務の標準化(1)業務委譲方法の統一化(2)部署のミーティング参加(3)病棟師長と定期面接2)業務手順の見直し(1)項目別の役割分担(2)補助者会で発表・意見交換6. 倫理的配慮:対象者に調査目的と参加は自由意志で不利益を生じない事、個人情報を厳守する事、研究結果に関しては院内・外で発表する旨を説明した。本研究はA 病院の倫理審査委員会で承認を得て実施した。【結果】取組み前の意識調査は、86%が他部署への応援を不安に感じており、理由として「病棟によって手順が違う」「補助者間で意見が食い違う」「業務を共有する場がない」これらの項目に高いストレスを感じていた。取組み後の調査で、「業務手順の違い」が低値を示した。また、「他の病棟と手順が違う事に気づけた」「戸惑う事が減った」「多数で話し合うと見直せる」と自由記載があった。【考察】業務の標準化を図ったことは、応援業務の不安の軽減となり、看護チームの一員として協働する意識変化につながった。補助者間の意見の食い違いは、思い込みや経験上の業務手順等であり、意見交換で理解が得られたと考える。毎月の補助者会の発表は取り組みに意図的に介入する事になり、補助者間の活気が高め、お互い刺激し合い業務を共有する場となった。今回の取り組みは、補助者が安心して働ける職場環境作りとなった事が明らかになった。今後も補助者の定着化につなげ、看護業務のタスク・シフティングを可能にしていきたいと考える。