第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演43群 ヘルシーワークプレイス①

2022年11月9日(水) 14:00 〜 15:00 口演会場6 (104)

座長:石井 久美子

[口演M-43-4] 看護師が新型コロナウイルス感染症治療チームに配属された際の家族の受け止め方や求める支援に関する調査

山竹 峻史1, 中村 ゆきえ1, 倉本 裕介1, 福塚 明1, 畑中 苑花1, 三浦 夕佳1, 田中 浩二2 (1.金沢大学附属病院, 2.金沢大学医薬保健研究域保健学系看護科学領域臨床実践看護学講座精神看護学分野)

キーワード:COVID-19、看護師の家族、思い、必要な支援

【抄録】
【目的】新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)治療チームに看護師が配属された際の、看護師家族の受け止め方を明らかにし、必要な支援を考察する。【方法】対象はA 病院COVID-19 治療チームで働いた経験がある看護師の同居家族、且つ20 歳以上の者。COVID-19 治療チームに配属された看護師家族の思いについて調査票を用いた自記式調査を実施した。選択式はフィッシャーの正確確率検定を行い、対象者の属性と受け止め方の関連性を検討した。自由記述はカテゴリー化を行い、受け止め方や求める支援について研究者間で検討した。倫理的配慮として、研究参加、不参加への自由意思、拒否した場合に不利益が生じないこと、無記名で行うこと、研究結果を学会や学術誌で公表することを紙面にて説明した。調査票の提出により本研究の参加に同意を得られたものとした。【結果】対象者26 名中、24 名から回答を得た。検定結果より家族の属性が配偶者の場合、社会とのつながりで嬉しかったことに有意差が生じた。自由記述の内容分析から73 のコード、43 のサブカテゴリー、11 のカテゴリーが抽出された。主なカテゴリーとして『感染の不安』、『情報がなかったため不安だった』、『家族を大切にしたい』、『家族の役割構造や生活におけるマイナスの影響』、『周囲との関係におけるマイナスの影響』、『社会からの支援』、『精神的な支援』、主なサブカテゴリーとして《不安を取り除いてくれる情報が欲しかった》、《コロナウイルスに関して分からないことが多く不安だった》、《看護師をサポートしたい気持ち》、《育児への不安》、《周囲の目を気にする気持ち》、《家族からの育児支援》、《偏見へのサポート》が抽出された。【考察】家族は《看護師をサポートしたい気持ち》を語る一方で、COVID-19 治療チーム内の状況がわからず、『感染の不安』や『情報がなかったため不安だった』と感じており、感染対策やストレス支援があるなどの情報提供が不安軽減に繋がると考えた。また別居の選択など『家族の役割構造や生活におけるマイナスの影響』では子育て世代への育児支援が必要であり、《偏見へのサポート》を求める家族の精神的な負担軽減には、職場や周囲の理解が重要であると考えた。