第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演44群 ヘルシーワークプレイス②

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場6 (104)

座長:成田 康子

[口演M-44-2] 長日勤勤務での短時間休憩による身体的・精神的疲労感の変化

田中 未紗希1, 田中 小鉄1, 秋庭 千穂2 (1.弘前大学医学部附属病院, 2.弘前大学大学院医学部保健学研究科)

Keywords:長日勤、短時間休憩、疲労

【抄録】
【目的】長日勤勤務では16 時以降に疲労感が上昇するとされていることから、16 時台に短時間休憩を取得することで、疲労感に変化が生じるのではないかと考えた。そこで本研究では、長日勤勤務での短時間休憩による身体的・精神的疲労感の変化について明らかにしたい。【方法】内科外科混合病棟に勤務する看護師27 名のうち、1 年以上の長日勤勤務の経験があり同意が得られた20 名に対して、基本属性、主観的データ、客観的データを収集した。主観的データでは、自覚症しらべ、疲労度VAS 検査の質問紙を用い調査し、平均値を算出後、経時的に比較した。客観的データでは、アドバンスト指尖脈波装置を使用し、自律神経系の活動状態について測定した。その中から心拍数、交感神経、副交感神経を抽出した。先行研究を参考に、勤務開始前、短時間休憩前、短時間休憩後、勤務終了後の4 回測定した。交感神経と副交感神経は、対象者毎の値にばらつきがあるため、勤務開始前を起点とし各時点における変化率を計算後、平均値を算出した。本研究は弘前大学大学院医学研究科倫理委員会の承認を得て行った(承認番号2021-015)。【結果】短時間休憩の実際の取得時間は5 分以内が1 名、6 ~ 10 分が5 名、11 ~ 15 分が14 名であった。休憩中の行動としては飲食、SNS の利用、会話等であった。飲食した内容としては、チョコレート菓子、コーヒー、ココア等であった。自覚症しらべでは、全ての群で休憩後に点数が低下した。疲労度VAS 検査では、休憩後に数値は低下した。心拍数には著明な変化はみられなかった。交感神経の変化率は、勤務開始から終業にかけて上昇した。副交感神経の変化率は、勤務開始後より上昇し、休憩後に下降、勤務終了後に再度上昇した。【考察】自覚症しらべでは全ての群において休憩後に点数が低下しており、痛い、怠いといった身体的疲労やイライラする、憂鬱といった精神的疲労がともに軽減すると分かった。これより15 分以内という短い休憩でも、心身の疲労感を軽減する効果があると考えられた。自律神経系の推移では、交感神経は経時的に変化率が上昇し、緊張が強くなることが分かった。飲食した内容から、カフェインの摂取が数値の上昇に影響を与えた可能性が考えられた。終業まで緊張が高まり続ける状態は、身体へ過度な負担となるため、休憩中の過ごし方や飲食の内容の工夫が必要と考えた。