口演47群 看護教育～新型コロナウイルス感染症下の新人教育～

[口演M-47-4] コロナ禍の影響による対面での院内技術研修を受けることが出来なかった新人看護師の意識調査

^○清水 優香¹, 立田 水里¹, 尾谷 栞菜¹, 酒井 咲¹, 池田 愛奈¹, 上野 栄一² (1.富山市立富山市民病院, 2.奈良学園大学保健医療学部)

Keywords:コロナ禍、新人看護師、院内技術研修

【抄録】
【目的】A 病院では例年、未熟な看護技術の習得のために新人技術研修を行っている。しかし令和2 年度入職した看護師はコロナ禍による感染予防対策のため、視聴研修のみとなり集団で行う技術研修を受けることが出来なかった。日常の看護業務場面で該当の新人看護師より「不慣れなまま患者に看護技術を行うのは不安。」といった声が聞かれたため、集団による院内技術研修を受けることが出来なかった新人看護師の思いを明確にし、現状を把握することで今後の新人看護師の現状に応じた適切な指導に活用したいと考えた。【方法】対象はA 病院在籍看護師のうち、A 病院における卒後院内技術研修を十分に受けることが出来なかった新人看護師26名。データ収集はグループインタビュー形式にて実施した。【結果】全対象者データから29 コードが抽出。それらの類似性を検討した結果、14 のサブカテゴリーが得られた。さらに分析した結果、院内技術研修を十分に受けることが出来なかった苦悩、院内技術研修を受けることで生じる安心感、先輩看護師の病棟内教育実施による不安の軽減、先輩看護師や同期の助けからの成長に分類した。【考察】新人看護師は入職後、看護技術に自信が持てない不安や焦りなどの苦悩が語られたことから、視聴研修だけでは入職直後の新人看護師には不十分であり、覚えた手順を対面での技術指導やロールプレイによる演習で何度も再現することが技術の習得に重要であることが考えられる。インタビューの結果から、突然未熟な看護技術を求められる場面があった。そして、実施することへの不安や恐怖心に繋がっていると考えた。そのため病棟配属前に技術研修を経験することが日々の看護業務に心の余裕をもたせ、新人看護師の自信になると考える。集団による院内技術研修を受けることが出来なかった為、病棟スタッフ全体で新人看護師の看護技術習得状況や未経験技術を共有した。また、指導できるよう病棟内にて共通認識を持ち、個別的に教育を行ったことが院内技術研修を補うこととなり、新人看護師の不安の軽減に繋がったと考える。強い不安を抱きながら日々仕事を続ける新人看護師は、先輩や他病棟の同期と不安や悩みを相談することで看護師として成長することに繋がっていると考える。また院内技術研修は日頃集まることが難しい新人看護師が一堂に集合できる場面でもあり、同期と悩みや辛さを共有できるという側面もあると考える。