第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演5群 精神看護②

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM 口演会場2 (303)

座長:鈴木 美央

[口演M-5-5] 精神科救急入院料病棟におけるクライシスプランからみえた傾向

齊藤 淳子1, 三澤 みのり2 (1.山梨県立北病院, 2.山梨県立大学看護学部)

Keywords:クライシスプラン、一般精神保健医療福祉、精神科急性期

【抄録】
【目的】A 病院の精神科救急入院料病棟に入院し退院した方のクライシスプラン(以後CP)に記載された「項目」「対処方法」「相談相手」の傾向を明らかにし看護に役立てること【方法】研究デザイン実態調査研究、調査対象2022 年4 月1日~ 12 月31 日に入退院し作成されたCP。分析方法CP に記載された「項目」「対処方法」「相談相手」を分類。「項目」は野村(2017)を参考、「対処方法」「相談相手」は研究者間で協議し調査用紙を作成。【結果】対象者97 名(男性47 名・女性50 名)、統合失調症43 名、気分障害33 名、その他21名。「項目」私の目標53.6%、安定している状態29.9%、注意状態99%、要注意状態76.3%、安定している状態の維持方法23.7%、注意状態の対処方法99%、要注意状態の対処方法90.7%、状態・症状を悪化させる要因となるストレス4.1%、医療スタッフへの希望4.1%、家族への希望6.2%、家族以外の地域支援者への希望5.2%、以前の病状悪化時に役立ったこと100%、私の考えを代弁してくれる人0%、避けたい薬や治療・支援0%、関わってほしい人・ほしくない人0%、入院するタイミング38.1%、その他0%「対処方法」認知系34%(思考から離れる14.2%、思考を整理する12.4%、思考を変える・加える13.4%、その他7.2%)行動系100%(リラクゼーション29.9%、気分転換72.2%、相談94.8%、頓服薬70.1%、その他70.1%)「相談相手」病院95.9%、地域支援機関34%、家族43.3%、友人・知人・親戚10.3%、その他3.1%【考察】CPは各人に合わせて設定し、最低限症状と対処だけで成り立つ、必要最低限の項目記載はあった。記載が少なかった「安定した状態」では、CP は病状の再発に注目しやすいが「安定した状態」を維持し自らのストレングスを活かす重要がある。A 病院はストレングス支援の別紙活用があり連動した検討も有用。英国では権利擁護としCP を用いるが、該当項目の記載がなく、活用の仕方は検討を要する。対処方法は認知系が少なく、入院期間短縮の困難さや疾患に伴う認知機能障害の影響も否めず、心理教育プログラム等を活用し活用可能な対処方法の獲得と退院後の継続支援が重要。「相談相手」は病院に偏りがあり、相談相手の獲得・強化にむけた支援が必要。