第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演9群 在宅療養移行支援①

Tue. Nov 8, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場3 (304)

座長:植田 みゆき

[口演M-9-3] 地域包括ケア病棟看護師と特別養護老人ホーム施設職員が持つ看護サマリーのヘルスアセスメントに関する視点

松田 莉香, 山﨑 美菜, 多田 久美子, 閨 利志子 (公立能登総合病院)

Keywords:地域包括ケア病棟看護師、看護サマリー、特別養護老人ホーム施設職員、ヘルスアセスメント

【抄録】
【目的】地域包括ケア病棟では退院調整を行う中で事前に施設職員へ看護サマリーを用いて情報提供を実施している。その中で看護サマリーの具体的内容を問われることがあり、記載内容が不十分なのではないかと感じた。そこで病棟看護師と施設職員のそれぞれが持つ看護サマリーのヘルスアセスメントに関する視点を明らかにし、互いが必要とする患者情報を知ることで継続的看護に繋がると考え本研究に取り組んだ。【方法】期間2021 年8 月1 日~ 9 月30 日。A 病院地域包括ケア病棟看護師18 名及び施設職員8 施設80 名に対して、独自に作成した無記名自記式調査用紙を配布し、記入後回収を行った。調査内容は、病棟看護師3 項目、施設職員6 項目とし、得た回答は項目ごとに単純集計、自由記載は研究者間で整理した。本研究は所属施設の倫理審査委員会の承認を得た。【結果】結果は一部抜粋とする。1. 病棟看護師18 名中17名回答があった。1)患者の何に視点を当てて看護サマリーを記載しているかについて、順にADL や介助方法・今後の問題点や注意事項、病気に対する本人家族の思いや理解の程度であった。2. 施設職員80 名中48 名回答があり、38 名を分析対象とした。1)看護サマリーの不十分な点は「問題行動の有無・内容」と「食事内容」が11 名と最も多かった。2)看護サマリーを見て患者の状態がイメージしにくかったと答えた方の意見は、「ADL 介助の具体的な記載がない」「食事がおおむね摂れるのか分からない」であった。3)具体的に記載して欲しい情報は順に、食事に関連する内容、本人家族の病気に関する理解や思いが7 割と多かった。また、「入院前と退院時のADL の差」の記載や、「動画で患者の状態を見たい」との意見があった。【考察】病棟看護師と施設職員のそれぞれのヘルスアセスメントの視点は、ADL や介助方法、本人家族の病気に関する理解や思いに視点を当てており、共通している部分があることが明らかになった。さらに、施設職員は、より具体的な介助の流れや、細かな情報を求めていた。今後、看護師と多職種から得たアセスメントの内容を掛け合わせた総合的な視点を情報提供することや、動画でのADL を確認できるシステムを取り入れることで、よりきめ細やかな情報提供ができ、退院後の継続的看護に繋がると考える。