第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演9群 在宅療養移行支援①

Tue. Nov 8, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場3 (304)

座長:植田 みゆき

[口演M-9-4] 転院先の施設で食支援に関わる職員の看護サマリーの活用状況と改善点の検討

都丸 茜, 渋澤 美帆, 中山 綾 (太田記念病院)

Keywords:食支援、看護サマリー、情報提供

【抄録】
【目的】転院先の施設で食支援に関わる職員の看護サマリーの活用状況とそれを通して知りたい情報を明らかにし、看護サマリーの食支援の有用性と食支援の継続に向けた情報提供のあり方について考察する。【方法】病院、介護老人福祉施設、介護老人保健施設の食支援に関わる職員を対象に、看護サマリーの活用状況を問う選択回答式質問と、食支援について知りたい情報を問う自由回答式質問からなる調査紙を用いた。選択回答式質問は記述統計量を算出し、自由回答式質問は記述の意味内容の類似性に基づき分類した。対象者には研究の目的や方法、研究協力は自由意思であることを説明した。調査紙は無記名、個別投函による郵送で回収した。【結果】38施設134 名に調査紙を配布し、116 名の有効回答を得た(回収率86.6%)。対象者の職種は、看護師90 名(77.6%)、ケアマネージャー4 名(3.4%)、介護福祉士3 名(2.6%)、その他19 名(16.4%)であった。看護サマリーの食支援に関する情報で「活用している」と回答した割合は、食事の形態113名(97.4%)、治療食112 名(96.6%)、摂取量105 名(90.5%)、食具105 名(90.5%)、介助量111 名(95.7%)、食事摂取時の姿勢103 名(88.8%)、嚥下状況106 名(91.4%)であった。食支援に関して知りたい情報は、補助食品使用の有無と種類7 名(7.2%)、必要栄養量、提供栄養量6 名(6.2%)、1日に必要な水分量、一度の食事で摂取可能な水分量5 名(5.2%)など22 項目であった。【考察】施設職員の約90%が看護サマリーを活用しており、この活用状況は転院先へ継続した食支援に必要な情報が提供できていると考える。対象者の職種は約70%が看護師であり、他は介護福祉士などであった。看護サマリーを活用している職種が多岐にわたるため、どの職種にも通用する表現の使用が望ましいことが示唆された。また、施設職員が知りたい情報を伝えるためには書面だけでなく、直接情報を提供していくことも検討し、継続支援につなげていく必要がある。さらに、本研究の結果では必要栄養量、水分量、栄養補助食品の種類を知りたいという意見が多かった。そこで、必要とされている情報を提供するために、看護サマリーはテンプレートを作成し、選択式を用いた書式の統一化も検討していく必要がある。