シンポジウム3 看護職の力で行う人々の健康・療養支援

[SY3-2] 看護職の力で行う人々の健康・療養支援

小柳 弘恵 (やんばる希望が丘助産院院長)

【抄録】
　この度は、第 53 回日本看護学会学術集会にシンポジウムにお招きいただき誠にありがとうございます。
　わたくしは東京で生まれ育ち、看護師、助産師として臨床を経て、ご縁あって沖縄県北部今帰仁村で『産後ケア事業』を受託するために 2019 年 4 月に助産院を開業いたしました。
　皆さまご存知のように、沖縄県は 47 年連続出生率全国一であり、急激に少子化が進む我が国において 20 年以上もの間、年間出生数が前年比１～３％程度の増減で推移している稀有な地域です。2020 年の出生数は１万 4943 人、出生率 10.3（全国平均 6.8）、合計特殊出生率 1.86（同 1.34）と数字だけでも沖縄県の子沢山が一目瞭然です。一方で産前産後の女性と家族を支援する人的リソースは限られており、殊に沖縄県北部の助産師は 20 人程です。
　当院は、沖縄県北部初、唯一の助産院として、３つの離島を含む北部全 9 市町村の産後ケア事業を受託する他、近隣市町村のプレママクラス、産後健診、母乳外来、小中学校での思春期講話、乳児健診の育児相談など、行政と連携して妊娠中および産後・育児期に切れ目ない支援を行っています。