第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

交流集会

交流集会5 地域包括ケアシステムの水平的連携は看護職の活動がカギ!!
~専門看護師・認定看護師の組織を超えた活動と看護管理者の役割~

2023年9月29日(金) 10:15 〜 11:15 第2会場 (特別会議場)

座長:岩澤 由子

講師:田上 京子・髙井 亜希・伊波 早苗

[KR5-1] 地域における看護職の組織横断的な活動への取組みと今後の展望

~日本看護協会「地域における看護の継続と質向上に向けた実証事業」より~

田上 京子 (日本看護協会医療政策部医療制度課)

【抄録】
 地域包括ケアの実現に向けて、国が示す連携のあり方は、急性期から回復期、慢性期へという「タテ」の連携から、「水平的連携」へと変化している。切れ目のない看護ケアの継続を目指すにあたっては、看護職が自らの医療機関の機能・役割を担いながら、他の医療機関等とも相互に補完し合い、重層的かつ多面的に質の高い看護提供体制を構築する必要がある。そこで、日本看護協会では、地域における看護の継続と質向上に向けて、専門看護師・認定看護師等が組織横断的な活動を行い、その成果と課題を明らかにすることを目的とした実証事業を実施した。
 実証事業では、専門性の高い看護師による他施設への訪問等の実施により、受け手側の知識やスキルが向上し、誤嚥性肺炎発生率等のデータの改善を認めた。さらには、地域の課題解決に向けた連携・協働への拡がりが期待され、専門性の高い看護師を地域の人的資源と考え、地域全体で共有・活用するという、看護提供体制構築に向けたひとつの方策を見出すことができた。
 本交流集会では、実証事業の取組みや課題について報告し、今後の看護提供体制のあり方について議論を深めたい。