第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演1群 ワークエンゲージメントを高める

Fri. Sep 29, 2023 10:15 AM - 11:15 AM 口演会場1 第6会場 (1008)

座長:中 麻里子

[口演O-1-3] 救命救急センター看護師の職務継続意思とワーク・モチベーションとの関係

兜森 祥介, 大山 桃花 (日本医科大学多摩永山病院)

Keywords:看護師、ワーク・モチベーション、職務継続、離職

【目的】本邦では2000 年頃よりバーンアウトによる離職などの問題から看護師のワーク・モチベーションが注目され、モチベーション・マネジメントが今後の課題であると指摘されている。ワーク・モチベーションについて、ストレスや職務態度との関係についての先行研究は散見されるが、職務継続との関連を調べた研究は見当たらない。本研究では職務継続意思とワーク・モチベーションの関係を分析し、離職予防のための支援方法を考察したい。【方法】1 対象。A 病院救命救急センター看護師60 名。2 調査方法。Googleform にて質問を作成し対象者へ配布。3 分析方法。質問内容は経験年数、職務継続意思、西村らが2017 年に開発した、看護師のワーク・モチベーション測定尺度とした。統計ソフトIBM SPSS 28.0.1 を使用しカイ2 乗検定にて有意差があるか検定を行った。4 倫理的配慮。本研究への協力は自由意志であり、協力を得られない場合も不利益はないことを説明した。所属病院倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】回答率は60% であった。職務継続意思について「あり」28%「なし」72% であった。ワーク・モチベーションについて「チーム協調への関心」「患者支援への関心」「リスク回避への関心」は約9 割の回答で関心が高く「キャリア向上への関心」では約半数は関心が低い結果であった。職務継続意思の有無とワーク・モチベーションの各項目を比較し「キャリア向上への関心」で有意差があり、職務継続意思があるほうがキャリア向上への関心が高い結果となった。他項目では有意差は認められなかった。経験年数とワーク・モチベーションとの比較では有意差は認められなかった。【考察】全体の傾向として「キャリア向上への関心」が他項目と比較し低い結果は、先行研究と同様であった。しかし、職務継続意思がある場合は、ない場合と比較し「キャリア向上への関心」が高かった。他項目に比べ組織に属し長期的なビジョンが必要な項目であると考えられる。離職予防という視点からも、看護師として長期的なビジョンを持ち、目標を達成していくことに関心が持てる支援方法を考えていくことが重要である。以上より、ワーク・モチベーション各項目の中で「キャリア向上への関心」は低いが、職務継続意思があると関心は高くなる。キャリア向上への関心を持てる支援方法が、離職予防に有効な可能性がある。