第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演17群 住み慣れた地域に戻ることへの支援

Sat. Sep 30, 2023 10:30 AM - 11:30 AM 口演会場2 第7会場 (1004+1005)

座長:小野 五月

[口演O-17-1] 研究報告「看護師が介護支援専門員を兼務する有用性と課題の検討」

―Buurtzorg 財団の取組を参考に―

山田 清志郎 (放送大学大学院文化科学研究科文化科学専攻)

Keywords:地域包括ケアシステム、看護師、介護支援専門員、兼務、Buurtzorg

【目的】看護師が介護支援専門員を兼務することで期待できるメリットや、兼務に当たっての課題と、その対策を明らかにする。その結果、兼務する看護師数の増加を契機に、臨機応変な対応、ケアの質・満足度向上等の成果を生むことが本研究の目的・社会的意義であると考える。【方法】CiNii Research とPubMed にて以下のキーワードで検索を行った。1) CiNii Research・「看護師」「ケアマネジャー」「兼務」。6件の文献が該当。・「Buurtzorg」(本文リンクあり)。22 件の文献が該当。2) PubMed・「Buurtzorg」。22 件の文献が該当。3) その他 厚生労働省や内閣府等のHP も引用・参照し、介護支援専門員が誕生した成り立ち、看護師が介護支援専門員を兼務する上での法的解釈を考察の章にて展開し、看護師が介護支援専門員を兼務する方法とメリット等を検討した。期間は2020 年までのすべての文献を含めた。オランダのBuurtzorg に関する先行研究によると、ケアの分業による弊害(間接業務量増加等)が指摘されており、Buurtzorg の看護師は介護支援専門員の業務を兼務している。そこで、ケアの分業による弊害と、介護支援専門員を兼務する上での有用性と課題を明らかにするために、文献の選定基準として、1)ケアの分業化による弊害 2)兼務に当たっての実際 3)Buurtzorg の看護師による取組、等と設定し、これらの要件について述べている文献を選定の対象とした。倫理的配慮として、盗用(剽窃)、データの捏造や改竄等の不正行為を行わないように参考・引用・参照したデータを適切に表記・管理した。【結果】文献選定基準を用いて15 件の文献を選定し、ケアの分業化による弊害、Buurtzorg の看護師の取組(トータルケアとICT の活用等)を示した。又、介護支援専門員を兼務した際、事務作業の増加等といった課題が明らかになった。【考察】看護師が介護支援専門員を兼務するには、利用者の処遇に支障がないこと、法人の方針で兼務を支持していること、等の条件が必要である。しかし、兼務による「事務作業の増加」等の課題に対しては、Buurtzorg の取組を参考にすることは有益であり、ICT の活用等によるサポート体制構築の必要性があると考えられた。これら兼務に係る取組により、ケアの質向上等が期待できると考える。