第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演17群 住み慣れた地域に戻ることへの支援

Sat. Sep 30, 2023 10:30 AM - 11:30 AM 口演会場2 第7会場 (1004+1005)

座長:小野 五月

[口演O-17-3] 退院支援実践自己評価尺度と看護記録からの退院支援評価

三浦 舞, 入西 一美, 佐々木 ひとみ, 嶋川 久美子 (十和田市立中央病院)

Keywords:退院支援実践自己評価尺度、退院支援、看護記録、地域包括ケア病棟

【目的】退院支援実践自己評価尺度(以下DPWN)を用いて退院支援の現状を調査し、不足している支援を明らかにする。【方法】地域包括ケア病棟看護師12 名を対象にDPWN 25 項目を回答して自己評価の状況を調査した。また地域包括ケア病棟入院中の患者50 名の看護記録を、独自で作成した退院支援実践状況調査の判断基準をもとに記録で実践の有無を調査した。分析方法は記述統計とした。DPWN は出来ている内容の回答が70% 以上の項目を「自己評価が高い」、出来ていない内容の回答が50% 以下の項目を「自己評価が低い」とした。看護記録は「記録あり」が多い項目を「実践が高い」、「記録なし」が多い項目を「実践が低い」とした。本研究は所属施設の倫理委員会の承認を得て行った。参加者には、研究目的、方法、参加は自由意志であること、及び個人情報保護について、書面にて説明し同意を得た。【結果】DPWN 25項目で、自己評価と実践が高かった項目は16 項目、自己評価は高いが実践が低い項目は6 項目、自己評価は低く実践は高かった項目は1 項目、自己評価も実践も低かったのは2 項目であった。【考察】自己評価は高いが実践が低い項目6 項目と、自己評価も実践も低い項目2 項目が看護師に不足している支援と考えられ、退院支援に対する看護師の意識と実践のずれが今後の課題になった。医師からの病状説明時の設定や患者家族と今後の方向性について話し合うことは、退院支援において重要であると意識はしていた。しかしコロナ禍で看護師と家族が直接関わる場面が減ることで実践できない現状があり、患者と家族を繋ぐ役割ができていなかったと考える。さらに、多職種連携は出来ていると自己評価は高いが、記録からは退院後の生活や栄養面を専門的な視点で捉えることが不足しており、実際にADL 動作の指導や栄養指導について具体的な介入に繋げることができていなかったと考える。また、在宅生活時の緊急時対応が出来るかの確認記載がなく不十分であった。結果、看護師に不足している退院支援は、患者・家族の思いや意思を共有し今後の方向性の話し合いの場を設けること、多職種と連携して退院後の生活についての指導を実施すること、在宅での急変時対応が理解出来ているか家族に確認することであった。