[口演O-17-4] 地域包括ケア病棟における退院支援の早期介入を目指して
―統一した情報収集用紙の導入―
Keywords:退院支援、地域包括ケア病棟、統一した情報収集、退院支援情報用紙
【目的】退院支援を円滑に進めるにあたり退院支援情報用紙を作成・導入する事で統一した情報が収集でき、早期に退院支援介入に繋げる事を目的とした。【方法】対象：地域包括ケア病棟看護師30 名。研究方法：退院支援情報用紙を作成し１か月間運用、その後11 日間アンケート調査を実施。分析は単純集計、符号検定、ウィルコクソン検定を用いた。本研究は研究者の所属施設の倫理審査での承認を得た。書面にて研究への参加は自由であり不利益がない事など明記し、返送をもって同意を得た。開示すべき利益相反はない。【結果】20 名から回答、回収率66％（有効回答率100％）を得た。退院支援情報用紙を使用した後に行ったアンケートでは「情報が得やすくなった」80％、「退院支援がスムーズにできた」20％、「情報用紙の内容が十分」85％、「記入作業が業務に支障をきたした」40％、「他職種への相談が容易になった」70％、「今後も活用していきたい」80％の結果を得た。自由記載では「紙ベースではなく電子カルテ入力の方がよい」、「記入項目が多いと時間がかかる」「運用期間が短く活用機会が少なかったため判断しづらい」「用紙の使用が習慣化できていない為判断しづらい」との意見があった。【考察】退院支援情報用紙を使用することで情報収集が容易になったことが分かった。また、経験年数に関わらず全ての看護師が統一した情報を収集でき患者の全体像を早期に把握することが可能になった。更に退院後の生活において必要なサービスや生活スタイルが明確化できたことでリハビリスタッフやMSW への相談が容易になった。しかし、退院支援がスムーズに出来たとの回答が20％に留まったのは運用期間が短かったことや習慣化出来ていなかったことが要因だと考える。今後紙ベースではなく電子カルテ上でプルダウン方式をシステム化することで入力時間が短縮でき他職種とも情報の共有が容易になると考える。