第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演23群 質の高い看護人材を育成する教育③

Sat. Sep 30, 2023 10:30 AM - 11:30 AM 口演会場4 第9会場 (1202)

座長:西田 頼子

[口演O-23-4] 臨地実習指導者の参画による技術統合演習

―その効果を探る―

井ノ上 ルミ子, 高山 清美 (大阪警察病院看護専門学校)

Keywords:技術統合演習、臨地実習指導者、参画、効果

【目的】臨地実習指導者(以下指導者)が参画する技術演習が、学生・指導者・教員に及ぼす影響を明らかにする。【方法】対象はA 校3 年90 名・教員15 名、B 病院指導者12 名、2022 年8 月から12 月に実施した。指導者に科目の位置づけと演習単元について説明し、演習計画を共に考え立案・実施した。演習終了後に質問紙(4 段階評定、学び等を自由記載)を配布し、自由記載は内容をカテゴリー化した。倫理的配慮は研究目的、内容、匿名性の保証、調査への協力は自由意思で不参加による不利益がないこと、データは研究目的以外に使用しない等を説明し了解を得た。学生には調査への参加の有無は成績と一切関係がないことも説明した。B 病院看護部倫理委員会の承認を得た。【結果】学生の学びは〈安全安楽な環境〉〈リアルな看護〉〈協力依頼〉〈自己の技術レベルと課題〉を抽出した。自信になったという記載が多く、新人看護師になることへの不安解消になったのは、そう思う・まあまあ思うが95%だった。指導者の演習参加による気づきは〈新人看護師の理解と支援〉を抽出した。教育内容と方法の理解、学習状況の理解、教員との関係作り、自己成長になったのは、そう思う・まあまあ思うが100%だった。教員の演習参加による気づきは〈相互理解〉〈臨地の看護〉〈共に育てる〉を抽出した。指導者との関係作り、臨地の看護理解、自己成長になったのは、そう思う・まあまあ思うが100%だった。指導者・教員共に将来の看護師を育てる認識が高まったと100%評価した。【考察】指導者と共に新人看護師に求める看護技術を抽出して、演習計画を立案し、指導者が患者・看護師役でリアルな反応を表現したことで、基礎教育の原理原則と看護現場の実際が加味され、実践的な学びとなった。学生は患者の生命を守る為の環境や予測と対策の重要性、自己の能力を理解し対処の必要性を実感したことで、新人看護師になることへの不安軽減になった。指導者は看護基礎教育に対する理解を深め、新人支援の示唆を得て自己の指導における課題を見出せた。教員は指導者との相互理解を高め、リアルな看護実践についての視野を広げ、学生の実践知を高める教育活動につなげられた。臨地実習施設と学校のシームレスな教育は、共に看護師を育てる意識向上の効果が明らかになった。