第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演3群 看護職間・他職種との協働

Fri. Sep 29, 2023 3:00 PM - 4:00 PM 口演会場1 第6会場 (1008)

座長:花井 理紗

[口演O-3-4] 病棟看護師のPNS 行動の実態と影響要因

―PNS 行動測定尺度を活用して―

関口 智美, 高橋 元気, 平藤 尚子 (多摩総合医療センター)

Keywords:パートナーシップ・ナーシング・システム、看護管理、PNS 行動測定尺度、看護師

【目的】PNS 行動測定尺度を使用し、病棟看護師のPNS行動を測定する。また、看護職歴・役職・病棟特性の実態を明らかにすることでPNS定着に向けての一助としていく。【方法】リーダー経験のある125 名の看護師を対象に無記名自記式留置調査法を行った。基本属性は記述統計量を算出、PNS 行動測定尺度はリッカートとし、5 段階評価で得点化した。第1~第4 の各因子と因子合計の比較分析を行った。A 病院の倫理審査を受けて実施し、PNS 行動測定尺度は福井大学医学部附属病院の許諾を得て使用した。質問用紙は個人が特定されないよう無記名とし、集計されたデータ及び研究で得られた結果は研究目的のみ使用し情報の取り扱いに留意した。本研究に関して開示すべき利益相反関係にあたる企業等は無い。【結果】看護職歴3 ~ 4 年のPNS 行動測定尺度は各因子、因子合計共に最も高値であった。反対に看護職歴15 ~ 24 年の看護師では低値であった。病棟間特性では混合病棟と比較して精神科単科の病棟が各因子全てにおいて高い傾向だった。役職の有無だけでは差は見られず、看護職歴を包含した比較を行った結果、役職の無い看護職歴15 ~ 24 年が各因子において低値を示した。【考察】各因子で高値を示した経験の浅い看護師は、ペアで動くことでその場で実践的な指導を受けられ、安心感が生まれることでPNSを受け入れられている。一方、中堅以上の看護師が低値となったのは自分の思い通りに業務を組み立てることができないストレスや、ペアの力量に差があった場合、ミスが生じないように気を配ることが精神的な負担につながったと推察された。精神科病棟が高値を示したのは病棟の特性上、一人の対応よりも複数対応のほうが突発的な暴力の対応や予防に努めやすく、安心感につながることが理由だと考える。PNSが定着するためには、病棟の中核となる役職を持たない中堅以上の看護師の職務満足感を充足させるために内的・外的要因の整備を行う必要がある。また、パートナーシップ・マインドを理解するためには従来の価値観から意識改革することが必要であり、マインドの醸成に必要な研修や定期的な監査、フィードバックを継続することが重要だと考える。