第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

Presentation information

口演

口演8群 ポストコロナ社会の看護への示唆①

Fri. Sep 29, 2023 1:15 PM - 2:15 PM 口演会場3 第8会場 (1006+1007)

座長:原 理加

[口演O-8-1] 小児病棟でCOVID-19 患者を受け入れる看護師のストレスとストレスを乗り切る力

加藤 恵, 甲斐 麻子, 平田 愛, 太田 心花 (宮崎県立宮崎病院)

Keywords:ストレス、乗り切る力、小児看護、COVID-19

【目的】小児病棟でCOVID-19 患者を受け入れる看護師のストレスとストレスを乗り切る力を明らかにし、ストレス対処行動に繋げる一助とする。【方法】研究デザイン: 質的記述的研究、研究対象: 小児病棟看護師で同意が得られた7 名、研究期間:2022 年7 月~ 2023 年1 月、データ収集方法:フォーカス・グループインタビュー、分析方法:データを類似性に基づき分類し、カテゴリーを抽出した。倫理的配慮:研究参加は自由で中断も可能、これにより不利益を被ることはなく、個人が特定できないようプライバシーの保護に配慮し、研究終了後のデータは破棄することを説明し同意を得た。【結果】小児病棟でCOVID-19 患者を受け入れる看護師のストレスは41 コードあり、12 のサブカテゴリー、5つのカテゴリーに分類された。5 つのカテゴリーは〈小児看護の難しさ〉〈COVID-19 患者に対応する上での困難〉〈自分が与える影響を気にする〉〈業務量とマンパワーがバランスを崩す〉〈蓄積する疲労〉であった。小児病棟でCOVID-19患者を受け入れる看護師のストレスを乗り切る力は28 コードあり、12 のサブカテゴリー、5 つのカテゴリーに分類された。5 つのカテゴリーは〈よりよい看護実践に備える〉〈看護師としての自覚〉〈モチベーションを保つ〉〈理解してくれる存在〉〈安らげる時間〉であった。【考察】ストレス:〈小児看護の難しさ〉心身機能が未熟で疾患を有すると急性憎悪しやすい小児患者への対応と、小児の頑張りを引き出す介入や多様な家族への看護が求められる。〈COVID-19 患者に対応する上での困難〉PPE 装着に時間を要し、隔離という環境が日常の看護実践を困難にさせていた。COVID-19 患者から小児一般患者への交差感染を懸念していた。〈自分が与える影響を気にする〉体調管理が重視される中、スタッフと患者へ迷惑をかけたくない思いがあった。〈業務量とマンパワーがバランスを崩す〉COVID-19 患者の急増でマンパワー不足があった。〈蓄積する疲労〉体の変調と心の休息が許されない日々の積み重ねがあった。ストレスを乗り切る力として抽出された5 つのカテゴリーを坪井のストレスコーピングに照らし合わせ検討したところ、問題焦点型、認知的再評価型、気晴らし型、情動焦点型、社会的支援提案型に該当し、有効なストレスコーピングが実践されていたことが明らかとなった。