[ポスターO-1-3] 新人看護師が勤務継続できた要因
―先輩看護師の効果的な関わり―
Keywords:新人看護師、先輩看護師、勤務継続、関わり
【目的】新人看護師が勤務継続できている要因の中の、入職1 年目に受けた先輩看護師の効果的な関わりを明らかにし、今後の新人看護師育成への示唆を得ることができる。【方法】令和元年～令和3 年度の新人看護師9 名に半構造化面接法により新人看護師が先輩看護師から受けた支援・声かけに対する思いを抽出し質的帰納的に分析する。倫理的配慮として、研究対象者には研究協力は自由意思であり辞退した場合でも不利益を受けないことを保障した。プライバシーを保護するとともに匿名性の確保を明確にした。【結果】分析の結果、5つのカテゴリーと22 つのサブカテゴリーが導かれた。《気にかけてくれ、心強い声掛けをしてくれる》のカテゴリーは、新人が先輩からの声掛けや気にかけてもらえている感覚や助言がもらえることにより責任ある看護を遂行できる大きな力となっていた。《役に立てている実感をくれる》のカテゴリーでは、先輩から任せてもらえることで役に立てている実感を持つことができ、自分の存在意義への確立に繋がっていた。《困った時に相談でき、質問に答えてくれる》のカテゴリーでは、相談しやすく質問に答えてくれる環境であり不安や緊張が緩和されていた。《人間関係が良好で、良い雰囲気を作ってくれる》のカテゴリーでは、指導者が新人に積極的に関わっており他の先輩が新人に関わりやすい雰囲気であった。【考察】《気にかけてくれ、心強い声掛けをしてくれる》では、先輩から新人に関心を持つ、１人ではないというメッセージを伝えることで安心感が得られたと考えられる。《役に立てている実感をくれる》では、良い評価をフィードバックされることで組織の一員として役に立てている感覚を得ることができていた。《困った時に相談でき、質問に答えてくれる》では、１人で仕事を遂行することが困難な新人にとって相談できる環境は安心感がある。《人間関係が良好で、良い雰囲気を作ってくれる》では、居場所ができることで安心感を得られ、ありのままの自分を表現できるようになる。新人は先輩からの関わりとして《気にかけてくれ、心強い声掛けをしてくれる》《役に立てている実感をくれる》《困った時に相談でき、質問に答えてくれる》《人間関係が良好で、良い雰囲気を作ってくれる》を受けることで、安心感を得ることができ、安定した気持ちで自身の成長のために意欲的・積極的に行動できることが示唆された。