第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

ポスター

ポスター10 群 患者の意向を尊重し、支える

2023年9月30日(土) 13:15 〜 14:15 ポスター会場 (イベントホール)

座長:高橋 奈智

[ポスターO-10-1] コロナ禍の面会制限がある家族の代理意思決定支援で看護師に求められる役割

平見 明日香, 武山 和葉, 松岡 里奈 (大和高田市立病院)

キーワード:COVID-19、コロナ禍、代理意思決定、代理意思決定支援

【目的】COVID-19 感染拡大に伴う面会制限がある中で、代理意思決定を行う家族の思いを調査し、家族のニーズの把握から必要な今後の代理意思決定支援における看護師の役割を明らかにすることを目的とする。家族のニーズを把握し看護師の役割を明らかにすることで、効果的な代理意思決定支援につながることが期待される。【方法】代理意思決定支援を必要とする患者の家族20 名に代理意思決定支援に対する思いについてアンケート調査と同意が得られた5 名にインタビュー調査を実施した。インタビューはBerelson の内容分析を参考にサブカテゴリーとカテゴリーに分類した。アンケート調査は回答をもって同意とし、インタビュー調査は同意を得られたのち、面接を実施した。データはすべてID 化し、個人の特定ができないように匿名化し保存した。【結果】アンケートは22 枚配布し20 枚回収した(回収率91%)。インタビューは5 名に行い、逐語録からコード数79 個を17 のサブカテゴリー、8 のカテゴリーに分類した。患者との関わり、代理意思決定への苦悩、患者と関わりが持てる新システム構築、患者の状態変化による家族の混乱、病院との連携に対する家族の不満、代理意思決定への支援、現状への不安、家族の病院に対する遠慮、の8 カテゴリーが抽出された。看護師の役割として、実際に面会できる場を設け新システムの構築や、それぞれの家族にあった電話連絡と詳細な情報提供、他職種との連携が求められていることがアンケート調査の結果から明らかになった。【考察】面会制限に伴い家族は患者の状態を把握しにくい状況下で代理意思決定を行うことを難しいことだと感じている。その中で家族のニーズは、直接患者に会って状態を確認できること、それぞれの家族にあった電話連絡や他職種との正確な情報共有と連携を求めていることが分かった。このことから看護師はそれぞれの家族にあった電話連絡と詳細な情報提供が行えるよう医師にも協力を求め、家族のニーズに合わせた様々な配慮を行う必要があると考える。また他職種との連携においては日々の患者状態や説明内容、退院支援状況や家族との連絡内容の詳細が分かるように看護記録を充実させることも看護師の役割の一つである。研究で明らかになった家族のニーズや看護師の役割から、今後病院全体で代理意思決定支援に取り組めるよう対策を考えていきたい。