第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター10 群 患者の意向を尊重し、支える

Sat. Sep 30, 2023 1:15 PM - 2:15 PM ポスター会場 (イベントホール)

座長:高橋 奈智

[ポスターO-10-3] 女性高齢関節リウマチ患者の自重運動の継続と自己効力感の関連

加茂 尚子1, 加茂 健太2, 濵 大輝2, 中屋 佳奈2, 横田 涼介2, 雨谷 有桃2, 伊藤 綾香2, 間水 なるみ2 (1.広島文化学園大学看護学部, 2.山口赤十字病院)

Keywords:関節リウマチ患者、自重運動、自己効力感、セルフケア

【目的】運動療法は、QOL の維持向上につながるため、日本リウマチ学会ガイドラインにおいて推奨されているが、介入と継続の支援が課題とされている。本研究では自重運動に注目し、運動療法の継続と自己効力感の関連を明らかにすることを目的とした。【方法】2022 年7 月~ 12 月、A 病院に通院する運動習慣のない関節リウマチ患者50 名に自重運動の介入調査を行った。調査項目は、患者背景、DAS28-ESR(統合的疾患活動性指標)、HAQ(身体機能評価)、目標の充実度と遂行度、Borg scale(主観的運動強度)、高齢者運動セルフエフィカシー(以下SE)とした。自重運動開始時に、OT・PT が面談にて個人目標の設定、運動日誌の記載と自宅で2 回/ 週運動することを指導し、運開始時のみ共に運動を行った。運動間隔が1 週間以上開いた者を運動中断群とした。本研究はA 病院倫理委員会の承認を得て実施した。分析方法は、単純集計後、t 検定とFisher 直接法にて運動継続の有無と有意な関係が見られた因子を独立変数(年齢、手術歴、開始時のBorg scale、DAS28-ESR、HAQ、SE3 因子、目標充実度)、自重運動継続の有無を従属変数としてロジスティック回帰分析を行った。【結果】全員女性で、平均年齢67.3 ±12.2 歳、HAQ は0.66 ± 0.6、DAS28-ESR は2.8 ± 0.94 であった。運動を中断した参加者は8 名(16%)だった。DAS28-ESR は継続群2.91 ± 0.91、中断群2.31 ± 0.96 であった。目標充実度は継続群2.3 ± 2.5、中断群4.1 ± 3.8 であった。開始時SE は継続群50.6 ± 23.4、中断群38.4 ± 18.4 であった。ロジスティック回帰分析の結果、DAS28-ESR のオッズ比8.2(Cl:1.36-49.3、p=0.022)、SE 因子3「精神的負荷」のオッズ比1.30(CI:1.02-1.67、p=0.036)、目標充実度のオッズ比0.669(CI:0.449-0.995、p=0.047)であった。【考察】自重運動の継続に影響を及ぼす要因は、DAS28-ESR とSE 第3 因子「精神的負荷」、目標充実度であった。自重運動の支援には、運動の必要性を感じにくい低疾患活動性の患者に、目標充実感を感じる個別のニーズに応じた目標を設定し、精神的支援を行い自己効力感を高める介入が必要である。