第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター13 群 質の高い看護人材を育成する教育②

Sat. Sep 30, 2023 1:15 PM - 2:15 PM ポスター会場 (イベントホール)

座長:中川 有加

[ポスターO-13-5] チェックリストを用いた正しいおむつ交換手技習得への取り組み

大野 彩, 新開 千菜美, 兼松 真美 (千里中央病院)

Keywords:おむつ交換 個別指導 老年看護 慢性期看護

【目的】排泄援助技術は入職半年後以降、改めて確認する機会はなく、看護師また看護補助者は正しいおむつ交換手技を習得しにくい現状がある。正しいおむつ交換手技を習得していないことは、尿や便漏れにより衣類やシーツが汚染し交換することが増加し、患者の身体的負担や皮膚障害のリスク、スタッフの身体的、精神的負担に繋がっている。そこでチェックリストを使用し、個別指導を行うことで、看護師、看護補助者の正しいおむつ交換手技習得に繋がるか明らかにしたいと考え当研究を実施した。【方法】対象者はA 病院一般障害者病棟に勤務する看護師18 名、看護補助者3 名、調査期間は2022 年5 月31 日~ 9 月6 日であった。おむつフィッターの資格を持つ4 名が、チェックリストを元に対象者へ個別で手技チェックと指導を計4 回に渡り実施した。チェックの際指導が必要な項目があった場合、その場で指導を行った。チェックリストは、おむつ交換に関する7 項目を手順に沿って作成した。また個別指導開始2 週間前から個別指導終了後2 週間の期間で、排尿や排便の汚染で衣類やシーツを交換した回数を調査し、1 週間毎に平均を算出した。指導が必要であった項目や衣類やシーツの交換回数の差で分析を行った。当研究はA 病院の倫理審査委員会に承認を受け実施した。対象者へは研究の目的、意義、得られた情報は研究目的以外に使用しない事を説明し同意を得た。【結果】対象者の、看護師もしくは看護補助者の平均経験年数は7.3 年であった。初回の個別指導時、指導が必要な項目数の平均は1.2 項目であったが、4 回目の指導時の平均は0.1 項目となり減少していた。また排尿や排便の汚染で衣類やシーツを交換した平均回数は、指導開始2 週間~ 1 週間前で4.7 回/日、指導開始1 週間前~指導開始前日は5.9 回/日であった。指導期間中は、最も多い週で5.3 回/日、最も少ない週で1.0 回/日であった。介入終了~ 1 週間は3.6 回/日、介入終了1 週間~ 2 週間後では2.7 回/日であり、指導開始前と比較し減少していた。【考察】当研究結果から、看護師と看護補助者に対しておむつ交換手技の個別指導を行うことで、指導が必要な項目数と、排尿や排便の汚染で衣類やシーツを交換する回数が減少した。このことからチェックリストを活用し個別指導を行うことは、正しいおむつ交換手技の習得に結び付く可能性が示唆された。