第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

Presentation information

ポスター

ポスター3 群 ポストコロナ社会の看護への示唆

Fri. Sep 29, 2023 3:00 PM - 4:00 PM ポスター会場 (イベントホール)

座長:大迫 しのぶ

[ポスターO-3-1] COVID-19 感染患者の看護に携わった看護師が抱いた思い

我妻 久美子 (徳洲会羽生総合病院)

Keywords:インタビュー、コロナ感染病棟、看護師の思い

【目的】COVID-19 感染患者の看護に携わった看護師が抱いた思いを明らかにすること【方法】2021 年4 月、5 月に感染病棟に勤務していた看護師5 名を対象とし、半構造化面接を用いた。面接回数は1 回、面接時間は15 分~ 20 分とした。同意を得られた対象者に対し、研修者がインタビューガイドを用いて行った。インタビューは1 対1 とし、会話の内容はIC レコードを用いて録音する。調査項目として(1)感染病棟に勤務する前、勤務中、勤務後の思い(2)感染病棟での感染対策(3)感染病棟での人間関係(4)感染病棟での看護ケアの4 項目についてインタビューした。【結果】COVID-19感染患者の看護に携わった看護師が抱いた思いについてコードは95 抽出され、14 のサブカテゴリ、6 カテゴリに構成された。〈初めての経験に対する感情〉では感染症に対する恐怖や看護の経験が少ないことに対する不安が語られた。〈患者と家族のつらさ〉では患者の家族のことを思うと辛いが語られた。〈人間関係のストレス〉では看護師間の関係に気をつかう、看護ケアの方法に違いがあるが語られた。〈安心感〉では協力体制がある、周囲から教えてもらったが語られた。〈達成感〉では仕事に対する達成感、知識や技術の取得ができた、患者から看護の喜びを得るが語られた。〈後悔〉看護ケアができなかったやリハビリができず社会復帰につ繋げることができなかった、業務優先となったが語られた。【考察】COVID-19 患者は重症肺炎を合併し人工呼吸器やECMO を装着する患者も少なくはなかった。重症患者の看護に精通した看護師の配置は少なく、経験値の少ない看護師がほとんどである。慣れない環境や患者へのケアや看護に不安を抱くこと、感染病棟での仕事の質と量の著しい変化を想像することでしかできなかったことへの漠然とした不安をいう思いがあったことが明らかになった。また、面会制限もある入院治療は家族にとって計り知れない不安がある。患者ももちろんであるが、家族も看護の対象であり、大切な看護の視点であると改めて認識することができた。コロナ禍において感染病棟での慣れない勤務を余儀なくされた看護師にとって、不安が大きく負担も大きかったことが考えられる。さらに、忙しくケアが行えない現状があり、その中で看護師個々人に様々な思いがあったと予想される。