第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター4 群 看護職の心の働きとその対処①

Fri. Sep 29, 2023 10:15 AM - 11:15 AM ポスター会場 (イベントホール)

座長:普照 早苗

[ポスターO-4-2] 栄養スクリーニング勉強会前後の看護師の栄養管理に関する意識と介入行動の調査

松村 紀子, 清水 香織 (宇部興産中央病院)

Keywords:看護師、栄養スクリーニング、高齢者、栄養管理

【目的】栄養スクリーニングに関する勉強会前後の主観的包括的栄養評価(Subjective Global Assessment:以下SGA)入力状況、看護師の栄養管理に関する意識と介入行動を調査し今後の課題を明確にする。【方法】1) 栄養スクリーニング勉強会前後にA 病棟入院患者から60 名を無作為に抽出し、SGA 5 項目(身長、体重、活動係数/ 傷害係数、浮腫などの身体所見、体重変化などの病歴)の入力の有無を電子カルテより後方視点的に調査した。2)A 病棟看護師36 名に対し先行研究を参考に「病棟看護師の高齢者の栄養管理に関する意識と介入行動」を問うアンケートを作成し勉強会前後に実施した。意識は「看護介入の必要性を感じる」、「栄養に関する知識をつけたい」などの7 項目、介入行動は「栄養に関する勉強会に参加している」、「栄養状態について医師と情報交換をしている」などの13 項目を調査した。介入を行っていない理由については自由記載欄を設けた。評価は4 段階評定尺度(4:とてもそう思う、よく行っている~ 1:全く思わない、全く行っていない)とした。分析方法はSGA 入力の有無についてはフィッシャーの正確確率検定、アンケートについてはウィルコクソンの符号付順位和検定を使用しP<0.05を有意水準とした。本研究はA 病院倫理委員会の承認を得た。対象者には書面で研究目的を説明し、アンケートの回収をもって同意を得た。【結果】1)SGA は全ての項目に有意差を認めなかった。2) アンケートの回収率は100%、有効回答率は92%であった。意識は「介入の必要性」、「知識意欲」に関する2 項目が勉強会後に有意に上昇した(p<0.05)。介入行動は有意差を認めなかった。勉強会後の自由記載欄に「介入方法が分からない」などの記載があった。【考察】SGA 入力に有意差を認めなかった要因としては、勉強会での評価基準や活用方法の指導が不十分であったと考える。意識に関する2 項目は勉強会で栄養管理における看護師介入の必要性を再認識できたことで有意に上昇したと考える。介入行動は有意差を認めず先行研究と同様に意識の高さが介入行動に繋がっていない現状が明らかとなった。これは、具体的な介入方法に関する知識不足が影響していると推察される。SGA 評価基準やSGA 入力から看護介入、多職種連携に繋げるためのフローチャートの作成が今後の課題である。