第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

ポスター

ポスター5 群 看護職の心の働きとその対処②

2023年9月29日(金) 13:15 〜 14:15 ポスター会場 (イベントホール)

座長:望月 宗一郎

[ポスターO-5-2] A 病院における男性看護要員及び男性介護福祉士が感じる職場の困難事由に関する実態調査

桝井 駿志, 岡﨑 涼 (大和高田市立病院)

キーワード:男性看護師、男性介護福祉士、男性看護助手、困難

【目的】男性看護要員及び男性介護福祉士が感じる職場の困難事由に関する実態調査を行い職場環境や看護業務における課題を明らかにする。【方法】A 病院に勤務する男性看護要員27 名、男性介護福祉士5 名を対象にアンケート調査を実施した。内容は属性、先行研究と同様の職場環境(4 項目)、業務(5 項目)、羞恥心を伴うケア(3 項目)に関連する質問項目と困難事由に関する自由記述とした。アンケートは無記名とし、研究目的以外に使用しない事及び記述方法について書面で説明し回答をもって同意とした。分析は先行研究との比較及び属性毎の困難事由を比較するためχ2 乗検定を用い、自由記載は類似した記述を整理した。【結果】アンケート用紙を32 名に配布し回収率は93.8%であった。先行研究との比較では羞恥心を伴うケアに関する項目のみ有意差を認め「女性患者の場合拒否されなくてもやりにくいと感じる」と回答した方が48.9%から10%に減少した。属性では1 - 5 年目のスタッフは6 年目以上と比べると「女性スタッフや他スタッフとの交流関係が円滑でない」と「男性スタッフが少数で技術の失敗が目立ちやすくプレッシャーに感じる」に有意差を認めた。自由記述では「男性看護師が増え世間に周知され働きやすくなった」や「周囲との歩調を合わせないといけない」、「性別で区別するのでは無く看護観の持ち方や知識・技術が水準以上であれば他の事など気にならなくなる」と述べられた。【考察】男性が増加し世間に周知され働きやすくなったと述べられ、先行研究では男性から看護を受けた人は男性が必要と認識している人は多いとの記述があった。これらの事から男性から看護を受けた方が増加し男性に対する理解が深まり、やりにくいと感じる方が減少していると考えられる。交流関係の困難に対し先行研究では感情中心コーピングで対処しており、経験の浅いスタッフが他のスタッフと円滑な関わりができる取り組み方を考えていく必要がある。男性スタッフがプレッシャーに感じている困難に対し、先行研究では技術を磨き経験を積む事で気にならなくなると述べており、本研究にも同様の記述があった。これらこの事から経験を積む事で自信へと繋がりプレッシャーを感じづらくなっていくと考えられる。本研究にて残存している困難事由が分かった。今後は困難事由が軽減できるよう取り組み方を考え、働きやすい環境を作る事が課題である。