第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター6 群 看護の質向上のための取組み①

Fri. Sep 29, 2023 3:00 PM - 4:00 PM ポスター会場 (イベントホール)

座長:長谷川 美智子

[ポスターO-6-3] A 病院における専門・認定・診療看護師の活動実態調査報告

杉山 希, 野澤 陽子 (順天堂大学医学部附属静岡病院)

Keywords:スペシャリスト、活動実態、調査

【目的】A 病院は急性期医療を担う地域支援病院であり、病院内において専門看護師と診療看護師と認定看護師計33 名(以下スペシャリスト)が配属されている。看護ケアの質向上を目的に院内リソースとして活動し、看護部長の直下として位置付けられ、職務記述書に準じ年間目標を定め活動している。今回活動実態を調査し、スペシャリストの組織貢献だけでなく職務を果たす上での障壁や更新が困難となる要因について明らかにし、そのうえで今後のスペシャリストの活用方法や支援への課題解決につなげたいと考えた。【方法】日本看護協会が2012 年「認定看護師の活動及び成果に関する調査」および2019 年「専門看護師の活動実績調査」の内容を一部活用し、自作した調査票を用いてA 病院の専門・認定看護師と診療看護師に質問紙調査を実施した。分析方法は単純集計後日本看護協会が発信した実態結果と比較検討を行った。倫理的配慮として研究対象者に研究の目的、自由意志による参加であること、無記名で参加の有無や回答内容による不利益は生じないとことを説明し同意を得て実施した。【結果】回答率は100%、経験年数は平均20 年(SD6.9)、資格取得後の経験は、平均8.5 年(SD8.5)であった。約6 割が主任以上の職位についており、専従者は1 名であった。94%が専門領域と関連する部署での業務についており、約半数が資格取得後、部署異動を経験していた。現在実施している専門分野に関連する活動を日本看護協会調査結果と比較して、熟練した看護技術の実践、他施設への教育、患者に対する指導の実践に関して「できる」と回答した割合が高かった。一方コンサルテーション全般、他職種への教育やチームの一員としての役割遂行の活動で「できる」と回答した割合が低かった。活動時間の確保については23% と低かった。【考察】A病院のスペシャリスト33 名の活動内容は看護技術実践や他施設への教育が高値であり、コンサルテーション、他職種教育・連携の割合が低かった。高値の要因は昇格などの転機を経ても、専門領域での業務についていることで、活動の担保が得られていることや、地域支援病院の役割から他施設への教育に積極的にかかわっていることが考えられた。一方低値の要因は専従者が少ないこと、さらに活動時間が担保されないことによる専任としてのチーム医療の活動に限界があることが推察された。