第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

Presentation information

ポスター

ポスター7 群 看護の質向上のための取組み②

Fri. Sep 29, 2023 10:15 AM - 11:15 AM ポスター会場 (イベントホール)

座長:李 錦純

[ポスターO-7-1] エジンバラ産後うつ病自己評価票を産後支援の早期介入法として用いる

―母親の気持ちを捉えた支援体制の構築―

赤嶺 加寿美, 當眞 英恵, 大迫 茉穂, 喜納 翔子, 嘉陽田 友香 (沖縄県立南部医療センター・こども医療センター)

Keywords:EPDS、早期介入法、支援体制の構築

【目的】産後1 カ月でエジンバラ産後うつ病自己評価票(Edinburgh Postnatal Depression Scale:以下EPDS)を用いたフォロー体制が構築されてきたが、産後1ヶ月では対応が遅れる事もある。そこで産後4 日目にEPDS を実施し今後の患者の関わり方に活用する。【方法】研究対象:総合周産期母子医療センターで2022 年7 月1 日~ 8 月14 日までに出産した褥婦53 名。用語の定義:ハイリスク者-EPDS 9 点以上の者。データ収集方法:研究協力に対し同意を得られた褥婦に産褥4 日目・産後2 週間の2 時点でEPDS を用いて回答を依頼し、面談を行い結果の分析をした。またEPDS 9 点以上の者や面談後に育児不安を訴える等リスクがあると判断した際にハイリスク支援依頼票(以下、依頼票)を作成し、送付をもって地域と連携した支援が提供できていることとした。倫理的配慮:倫理審査を受け、データは個人が特定されないよう記号化した。【結果】初産26 名、経産27 名、母体搬送で入院した者は10 名(18.9%)、早期産であった者は15名(28.3%)。緊急帝王切開術で出産した者は22 名(41.5%)であった。児がNICU・GCU に入院した者は39 名(73.6%)。EPDS 9 点以上の者は、経膣分娩3.2%に比べて帝王切開術が25.8%と多かった。また、新生児室へ入院した者3.2%に比べNICU・GCU 入院した者は25.8%と、ハイリスク者が多かった。児に何らかの異常のあった者はEPDS が高く、子どもがNICU・GCU に入院した者から、自責の念や面会できない辛さ、今後の不安など様々な訴えがあった。4 日目のハイリスク者は9 名(23.1%)、2 週間でハイリスク者は4 名(8.3%)いた。【考察】褥婦の約4 人に1 人が産後に何らかの不安を抱えており、分娩方法や児の入院する場所、児の異常の有無で、EPDS の点数に偏りがある事が示唆された。4 日目に実施するEPDS は、授乳や搾乳・保健指導を受けつつ休息を取らなければならない褥婦の負担とならずに実施できるツールであった。ハイリスク者に関しては主治医へ報告し、退院支援看護師やMSW とカンファレンスを実施し、必要時に臨床心理士と面談を行う体制とした。産後4 日目に早期介入し、市町村保健師と連携をとり支援を継続したことが不安軽減に繋がったと考える。