第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

Presentation information

ポスター

ポスター8 群 看護の質向上のための取組み③

Sat. Sep 30, 2023 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (イベントホール)

座長:山中 晶子

[ポスターO-8-2] 整形外科病棟看護師の服薬に関するアセスメントの実態調査

―服薬アドヒアランスの視点より―

佐藤 麻木子, 兼近 由花, 高橋 美保子, 松尾 絢佳 (北海道整形外科記念病院)

Keywords:服薬アドヒアランス、アセスメント、整形外科

【目的】A 病院の整形外科手術目的で入院する全患者は、服薬の自己管理ができていても手術後の精神的、身体的影響を考え一部は看護師が一括管理している現状がある。そこで看護師がどのように考え、どのような情報を必要としアセスメントしているか、服薬アドヒアランスの視点をもって実態を明らかにするために取り組んだ。【方法】2022 年10 月に患者の内服管理に携わった経験があるA 病院に勤務している看護師91 名を対象とした。内容はアドヒアランス理解のための視点、高齢者の医薬品適正使用の指針を元に作成した。方法は4 段階回答形式の質問紙調査を実施、配布・回収方法は留置法とし、回答を単純集計し記述的分析した。本研究はA病院倫理審査会の承認を得て実施し、質問紙の解答にチェックをすることで同意を得た。【結果】有効回答部数は73 名。分析の結果、情報収集を行う際「家族の協力の有無」「持参薬の残数の把握」「内服薬の理解度」「新規内服処方時、患者の理解力・判断力」「服薬自己管理に意欲がある」「患者の理解力の低下・見当識障害・認知症の有無」「患者の身体的機能の状態」について90%以上の看護師が必要と考えていた。服薬管理をする際、69.8%の看護師が自己のアセスメントとA 病院で決められた服薬管理の方法が同じと感じていた。患者一人一人に合った服薬方法を施行したいと思う看護師が95%いる中、服薬を自己管理にする時アセスメントに不安を感じている看護師が71.2%いた。また、服薬の一括管理をすることで患者から抵抗を示されたことがある看護師が71.2%いた。【考察】A 病院の看護師は患者の服薬について、アセスメントに必要な情報はアドヒアランスの視点と合致していることが明確になった。殆どの看護師が個々に合った服薬方法を施行したいと考えているが、服薬の一括管理に対して半数以上が肯定的であった。その背景には、服薬管理方法が個々の判断に委ねられている為、自己のアセスメントの不安に繋がると考えられる。一括管理するメリット、デメリットはあるが、多数の看護師が患者から不快感を示された経験があることは見過ごせない。入院患者は年代も持参薬の種類も多岐に渡るが、A 病院の看護師がアドヒアランスの視点から得た情報を活かしてアセスメントを行い、手術後の患者の状況に応じた服薬方法の選択と自己管理に向けたアドヒアランスの啓蒙と指標の検討が必要である。