第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター8 群 看護の質向上のための取組み③

Sat. Sep 30, 2023 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (イベントホール)

座長:山中 晶子

[ポスターO-8-6] A 病院血液透析室における下肢筋痙攣予防に向けた取り組み

―透析中に1 時間ごとの下肢自動運動を行って―

吉野 智晶, 山口 奈穂子, 松本 由貴子, 下田 裕美子 (佐世保共済病院)

Keywords:下肢筋痙攣、PerfusionIndex、PI 値

【目的】血液透析(HemoDialysis 以下HD)中に1 時間毎の自動運動を行うことで下肢血流量が増加し、下肢筋痙攣が軽減できるかを明らかにする。【方法】非介入群はHD 中に筋痙攣に関連する薬剤を使用する患者15 名。介入群は非介入群のうち、医師と該当患者自身から研究参加の許可と同意を得、かつ自動運動を実施した患者7 名。調査項目は対象患者の属性、自動運動介入前後のPerfusionIndex(以下PI 値)と筋痙攣の回数、平均NumericalRatingScail(以下NRS)。調査方法は準実験型研究。期間は2022 年6 月27 日から7 月23 日。すべての群の平均PI 値の比較は一元配置分散分析法。HD 経過時間毎のPI 値の比較はクラスカル・ワーリスの順位。筋痙攣の回数・NRS はウィルコクソン符号付順位和検定を行った。(p < 0.05)。所属施設の倫理審査委員会相当機関の承認と倫理的配慮から全患者に意思を確認し実施。個人が特定出来ないよう配慮。【結果】平均年齢は非介入群66.9 歳(SD11.9)、介入群69.7 歳(SD12.6)。PI 値はすべての群でP=0.19(p < 0.05)、HD 経過時間毎でHD 前P=0.47(p < 0.05)、1 時間後P=0.36(p < 0.05)、2 時間後P=0.36(p < 0.05)、3時間後P=0.36(p << 0.05)。筋痙攣の回数はP=0.17(p < 0.05)。NRS はP=0.17(p < 0.05) で、介入前6.25(SD4.35) と介入後4.86(SD2.19)と有意差はなく介入後が低値であった。【考察】本研究では、HD 1 時間毎に運動を行うことで下肢血流量が増大すると考えたが、PI 値は運動回数やHD 時間の経過と比例せず、運動と血流増加の関連性は明らかではなかった。筋痙攣については、戸田ら(2018)が1か月程度、垣内ら(2014)が1 年間の下肢筋力強化運動を行い筋痙攣減少の効果を得ていたが、今回の自動運動の強度や回数、期間の介入では結果が出るには至らなかった。しかしNRS は、介入後の方が低値で、自動運動により筋痙攣に伴う疼痛が軽減出来たのではないかと考える。本研究の限界として、介入人数や期間が少なく十分なデータとは言えなかった。今後の課題は運動内容を検討し長期間継続することでHD 中の下肢筋痙攣軽減に努めていく。