第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター9 群 住み慣れた地域に戻ることへの支援

Sat. Sep 30, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (イベントホール)

座長:髙木 智美

[ポスターO-9-6] 心不全患者の再入院における特徴と今後の課題

立花 朱里 (岩手県立中央病院)

Keywords:心不全、再入院患者、退院指導、退院支援

【目的】急性期病院A 病棟では、心不全手帳導入後3 年間の調査で退院後3 ヵ月以内の短期間での再入院数が増加していた。退院後の短期再入院を減少させるためには、リスク管理や心臓リハビリテーション等の退院後の生活調整が重要と思われる。そこで、A 病棟に心不全で入院し退院後3 ヵ月以内に再入院の要因を実態調査し、入院中から退院後に徹底・強化すべき患者支援の必要性があると考えた。【方法】20XX年4 月から20XX 年3 月までの心不全で3 ヵ月以内に2 回以上入院したのべ29 名のカルテから退院後再入院までの期間1 ヵ月毎に基礎属性、初回心不全発症からの期間、居住・背景、心不全増悪自覚因子について調査し単純集計した。A 病院の倫理委員会の承認を得て研究を行った。【結果】再入院は1 ヵ月群13 名(44.9%)、2 ヵ月群9 名(31%)3 ヵ月群7名(24.1%)。平均年齢84 ± 8.2 歳で75 歳以上が21 名(72.4%)。初回心不全発症からの期間は、1 ヵ月群13 名中1 年以内が7 名(50%)、2 ヵ月群9 名中10 年以上が4 名(44%)、3 ヵ月群7 名中1 年以内が4 名(57%)と多かった。自宅27 名、施設2 名から入院し、独居6 名であった。介護申請有り7 名(24.2%)、介護申請していない22 名(75.8%)であった。心不全増悪自覚因子では、塩分過多11 名(37.9%)、水分過多5 名(17.2%)、怠薬4 名(13.8%)の順で多く、5 名が高齢と怠薬で介護申請を必要としていたことがわかった。【考察】再入院患者の75 歳以上が 7 割を超え、初回心不全発症から1 年以内での再入院が4 割を超えていた。また自宅退院が8 割でかつ同居であっても、塩分過多、水分過多、怠薬を増悪因子と自覚しており、指導が守られていなかった。さらに、独歩での退院であることでADL が自立と捉え、本人や家族への社会資源の説明がないままに退院していたと思われる。そのため、退院後短期間に再入院していることが考えられた。これらのことから、再入院では、前回退院後の生活の振り返りと退院指導内容の理解度を確認・記録し、多職種での共有が必要であると考えられる。今後、塩分過多、水分過多についての生活指導を強化し、同居する家族とともに怠薬防止について改善案の検討と、ADL の変化を予測した社会資源の情報提供と地域との連携を図り、患者情報を共有し支援していく必要があることが示唆された。