第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

教育講演

教育講演1 看護におけるPositive Management

2023年11月9日(木) 13:15 〜 14:15 第1会場 (G7+G8)

座長:南里 玲子

講師:手島 恵

[IS1-1] 看護におけるPositive Management

手島 恵 (千葉大学大学院看護学研究院教授)

【抄録】
 2020 年の1 月にCOVID-19 グローバルパンデミックがはじまり、感染状況は沈静化されたものの、保健医療システムに残された爪痕により厳しい局面に直面している。
 WHO(世界保健機関)と、ICN(国際看護師協会)、ICM(国際助産師連盟)は、2 年に一度、各国を代表するリーダーたちが集まり、課題について検討する三者会議を持っている。2021 年に開催された第74 回WHO 総会で採択された「看護と助産のグローバル戦略の方向性(Strategic Direction for Nursing and Midwifery:SDNM)2021-2025」に示された方向性に基づき、国レベルでの運用が行われ、評価して検討し、次の目標を検討することになっている。
 2022 年の三者会議では、COVID-19 の大流行により、「世界中の助産師や看護師が大きな打撃を受けており、燃え尽き症候群、病気、退職の意思、そして助産師や看護師に対する攻撃、虐待、暴力の報告が増加し、保健医療従事者のメンタルヘルスが憂慮すべき事態となっている」ことが課題として示された。
 米国の調査ではメンタルヘルス改善のためにレジリエンスやリフレクションの研修が急増しているが、このような窮状を打開するには、的外れではないかと指摘している1)。この激動する厳しい時代におけるポジティブ・マネジメントについて、今、私たちが人々の健康を守り続けるために真剣に取り組まなければならない人材確保や定着に焦点をあてて例示しながら講演をすすめたい。

1)Aiken LH, Lasater KB, Sloane DM, Pogue CA, Fitzpatrick Rosenbaum KE, Muir KJ, McHugh MD; US Clinician Wellbeing Study Consortium. Physician and Nurse Well-Being and Preferred Interventions to Address Burnout in Hospital Practice: Factors Associated With Turnover, Outcomes, and Patient Safety. JAMA Health Forum. 2023 Jul 7;4(7):e231809. doi: 10.1001/jamahealthforum.2023.1809. PMID: 37418269; PMCID: PMC10329209.