都道府県看護協会公募企画10：愛知県　災害看護
～愛知県看護協会における「地域災害応援ナース」の仕組みと課題～

[LK10-2] 災害看護

～愛知県看護協会における「地域災害応援ナース」の仕組みと課題～

^○山口 弘子 (名古屋掖済会病院副院長兼看護部長)

【抄録】
　災害発生時には、発災直後から短期間に膨大な災害対応業務が発生し、多くの人的資源が必要とされるが、機能が低下している自組織だけでは対応が困難となる。このため外部からの応援を迅速、かつ的確に受入れ対応していくことが求められる。
　自施設では、災害拠点病院としてBCP は策定されているが、受援体制についての詳細は明記されてなかった。令和４年度の愛知県看護協会の取り組みである地域災害応援ナースの実動訓練を機に災害時受援体制を整備した。
　受援体制整にあたっては、①応援側に依頼する業務の明確化、②応援者の集合場所や更衣室、配置部署の決定など受け入れ環境の準備、③応援受け入れおよび相談窓口の１本化、④応援者への支援体制、⑤応援派遣終了後の対応などをポイントに整備した。
　受援体制を整備して見えてきた課題は、災害の種類、規模によって応援をどの時点で要請するのかの判断の難しさがあり、組織としての判断基準の必要を実感した。また、平時から院内での応援体制などを通して、応援を受ける側、応援する側、それぞれを体験しておくことが平時から災害時の対応力の育成につながると考える。