[口演Y-1-1] ストレスチェック制度を活用した専門職支援型・部署看護師参画型の職場環境改善の考察(第一報)
キーワード:ストレスチェック、職場環境改善、職場のメンタルヘルス、働きやすい・働きがいのある職場、ワークエンゲージメント
【目的】脳神経内科・脳神経外科病棟、脳卒中センター看護師におけるストレスチェック集団分析の結果、健康障害は顕在化レベルであった。そこで、働きやすい・働きがいのある職場を目指し、ストレスチェック制度を活用した専門職支援型・部署看護師参画型の職場環境改善に取り組んだ。【方法】1.看護管理者とストレスチェック実施事業者、保健師の専門職を交えて職場環境改善セミナーを開催した。2.部署看護師が抱える問題について質問紙調査をした。調査は安全性を担保し、回答の諾否により不利益を受けないことや匿名でも可とすること等を口頭と文書で説明した。3.収集した問題をカテゴリー分類した。4.部署看護師参画のグループワークで分類した内容を基に課題抽出へ導いた。期間:令和4年12月~令和5年3月【結果】職場環境改善セミナーは、部署分析内容を基に討議し、問題の明確化が優先課題となった。質問紙調査は、部署看護師47名中、回答38名(回答率81%)、看護師が抱える問題数は420件であった。カテゴリー分類の結果、仕事の量的負担(カンファレンスや看護記録、係活動等の量的負担)141件(34%)が最も多かった。次いで仕事の質的負担(役割や看護提供体制、カンファレンス等の質的負担)55件(13%)、職場の対人関係(職員間の情緒的負担、ナースコール対応の不平等、礼節を欠いた言動等)50件(12%)、職場環境(電子カルテなど物品不足等)46件(11%)であった。グループワークの課題抽出では、カンファレンス質向上と時間削減、看護記録の業務量削減、係活動の役割葛藤の解消が挙がった。【考察】職場環境改善における専門職支援の効果を3点述べる。1.専門家の知識や技術に依拠し、専門的かつ多角的な視点から総合的に部署分析できる。2.取り組み課題が明確になり、部署に合った改善手順の助言が受けられる。3.外部者が介入することで取り組み意識が高まるとともに専門的な改善案が提示され職場環境改善が促進する。次に部署看護師参画の効果を4点述べる。1.現場のニーズと合致する。2.個々の意見の尊重と一緒に働く仲間の思いや考えの共有ができる。3.部署看護師同士で課題を抽出するため、当事者意識が醸成され、主体的に取り組むことができる。4.部署内のコミュニケーションが円滑になる。それらを通して職場の一体感が生まれ、個人と組織の活性化に繋がると考える。