[口演Y-1-3] 高度急性期病院の外来看護師が語るやりがいとそれを支える職場環境
キーワード:外来看護師、やりがい、職場環境、仕事のコントロール感
【目的】高度急性期医療を提供するA病院に勤務する外来看護師の語りから、外来業務中にやりがいを感じた場面とそれを支える職場環境を明らかにする。【方法】全外来看護師に研究への参加を呼びかけ、研究の主旨、参加は自由意志であることを文書で説明し、同意が得られた外来看護師3名に対し、半構成面接法によりデータ収集を行った。面接内容は対象者の了承を得て録音し、逐語録を作成した。外来看護師としてやりがいを感じた場面とそれを支える職場環境に関して語られている部分を抽出しコード化した。その後、各コードを類似したものでまとめカテゴリーとした。インタビュアと対象者の関係性、負担を考慮し、日時とインタビュアを明記した候補日を提示、対象者が選択することで、心理的安全性を担保した。【結果】外来看護師がやりがいを感じた場面として<気になる患者を見つけ出し、関わる事で真のニーズが引き出せた時><患者の真のニーズへの対応を考え、行動を起こし、問題が解決出来た時><他者からのポジティブフィードバックを受けた時><やりがいに繋がる考えを持ち合わせていること>の4つが抽出された。また、やりがいを支える職場環境として<良好なコミュニケーションがとれる環境><外来看護において大切にしていることを提供できる環境><専門職として必要な技術を提供することができる環境><外来業務の現状をきちんと把握できる環境><患者に取って必要な支援を適切な時期に提供できる環境><改善したい業務提案ができる環境><安定した雇用が保証されている環境><スタッフへの教育的な関わりができる環境>の8つの職場環境が抽出された。【考察】外来看護師の語りの分析から明らかになった4つの場面のような経験が途切れず、継続することでやりがいの好循環が生まれるのではないか。また、その好循環を支えるために、外来看護師がその気づきをお互い認め合える環境が作られることで、外来看護師のやりがいは向上し、患者への質の高い看護ケアがもたらされると考える。また、外来看護師のやりがいを支える職場環境として抽出された8つの環境の内、6つが看護協会の提唱する「就業継続が可能な看護職の働き方の提案」の仕事のコントロール感に関連していた。外来看護師が仕事のコントロール感を持って業務に取り組めるような職場環境となることが重要である。