[口演Y-1-4] 内視鏡センター看護師の時間外労働と関連要因
Keywords:内視鏡看護師、時間外労働、要因
【目的】A病院内視鏡センター看護師の時間外労働を減らす対策につなげるために時間外労働の実態を調査し影響する要因を明らかにする。【方法】期間:2021年10月~2022年7月。対象:居残り・宅直を担う看護師8名。居残り1番(所定労働時間終了後、業務が終了もしくは宅直に業務を託すまでを担う)居残り2番(居残り1より先に帰宅する)以下居残り1、2とする、の平日日勤時間外労働、月の居残り回数、月の宅直(宅直:平日19時30分以降翌朝まで、休日は終日待機)含む総時間外労働を調査。内視鏡検査情報(1:上下部検査総数2:下部検査数3:ESD件数4:所定労働時間内緊急内視鏡件数5:9時~16時以降までの1時間毎の検査数6:院内前処置患者数7:日勤看護師数)について調査。各項目の記述統計量を算出、居残り1、2の時間外労働と内視鏡検査情報7項目との相関分析を実施。次に居残り1、2の時間外労働を従属変数、相関があった項目及び要因だと思われる項目を独立変数としてステップワイズ法を用いて重回帰分析を適応。統計解析はSPSSⓇver26を用いて有意水準5%以下とした。対象者には研究目的・方法・研究参加、中断の自由・個人情報保護と取り扱い・結果の公表について書面と口頭で説明し同意を得た。【結果】1日平均時間外労働は居残り1が119±63.8分、居残り2が95.6±63.6分、月平均居残り1、2を担う回数は5.0回。宅直含む月平均総時間外労働は17.5±3.7時間であった。相関分析では居残り1は「16時以降の検査数」γ=.64、p<.01、でかなり相関があった。居残り2は「16時以降の検査数」γ=.72、p<.01、で強い相関があった。相関があった項目「検査総数」「下部内視鏡検査数」「ESD件数」「12時台検査数」「16時以降の検査数」及び、要因だと思われる項目「院内前処置患者数」「緊急件数」「日勤看護師数」を独立変数として重回帰分析を行った結果、居残り1では「ESDの件数」β=.27、p<.01、「16時以降の検査数」β=.60、p<.01、居残り2では「ESDの件数」β=.24、p<.01、「16時以降の検査数」β=.69、p<.01であった。【考察】居残り1、2ともに「16時以降の検査数」が時間外労働に最も影響していることが明らかになった。16時以降の検査数を1件でも減らす対策が必要である。