[口演Y-1-5] 週25時間勤務体制の短時間勤務の組み合わせで主体的に患者を担当することによる専門職としてのやりがいについての面接調査
キーワード:育児短時間制度、協働、集中治療領域、やりがい
【目的】A病院における育児短時間勤務体制(以下短時間勤務)において、週25時間勤務体制の勤務時間の異なる短時間勤務者がペアを組み、日勤帯を通して1人の患者を担当し(以下組み合わせ体制)看護に専念する取り組みを行った。この体制を行うことで得られる専門職としてのやりがいを明らかにすることを目的とした。【方法】2022年6月~7月、A病院で組み合わせ体制を実施する看護師で同意を得られた者に対し、組み合わせ体制に対する思い等について半構成的面接を行った。面接内容を録音し逐後録に起こしコード化した。各コードを意味内容の類似性に基づきカテゴリー化した。倫理的配慮は、研究目的・方法、自由意志による参加、匿名性の確保、不参加の場合も不利益が生じないことを説明し署名をもって同意を得た。【結果】研究参加者は5名、内容はコード化し35のコード、10個のサブカテゴリー、4個のカテゴリーに集約できた。以下カテゴリーは<直接看護を実践する環境があることでの充足感>、<看護師間の協働による一体感>、<自己のケアが回復促進に繋がる満足感>、<周囲へ貢献することでの自己存在感>であった。【考察】研究結果から4つのやりがいが明らかとなった。組み合わせ体制によって短時間勤務者が主体的に患者を担当でき、看護行為を自覚することで看護への充足感となっていた。またこの体制は3時間の2人の重複時間が存在し2人の協働が生まれ、パートナーシップ・ナーシング・システムⓇ(以下PNSⓇ)の要素をもつ、良いケアに繋げるための方法や情報を共有し合う、協力し合う関係性により一体感となっている。また患者の疼痛時の関わりや不眠に対するケアで良い結果が得られた等、自身のアセスメントやケア実践により回復促進を実感でき、満足感を得ていた。また、対象者は看護師経験年数中央値11年で実践力を備えており、多様な知識やスキルを要する場面の中で、周囲への期待に応えること、周囲からの承認を実感すること、チームの一員と感じられる役割意識から自己存在感となりやりがいに繋がっていた。この方法が短時間勤務者の働き方の中でより良い体制となるよう更に検討を重ねていく必要がある。