第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

口演

口演10群 災害看護

2023年11月8日(水) 13:15 〜 14:15 第8会場 (G314+G315)

座長:村田 美和

[口演Y-10-1] 外来看護師を対象とした震災に対する意識の現状分析と課題

大久保 和代1, 黒川 布美1, 山下 千鶴子1, 小川 佳代2 (1.東徳島医療センター, 2.四国大学看護学部看護学科)

キーワード:外来看護師、震災、意識調査

【目的】外来看護師の震災に対する知識・技術、心構えの現状を明確化し、課題を抽出する。【方法】20xx年8月30日~9月30日に独自に作成した質問票を用い、無記名式自記式個別投函法でデータ収集を行った。研究対象者は外来看護師14名。調査内容は「震災に対する関心、心構え、情報収集の行動5問」「職員としての自覚と病院災害マニュアル3問」「災害時の基本的な知識・技術6問」「外来看護師としての震災発生時の対応7問」の21質問とした。回答は四肢択一方法とし、最高点を4点の順序尺度を使用し、記述統計を行った。自由記述として「看護師としての震災の受け止め方」「外来看護師として震災時の体制や業務内容」「病院災害マニュアルや外来アクションカード作成」の3質問を設けた。自由記述の回答は質的帰納的分類を行い、カテゴリーに分類した。倫理的配慮では、研究目的・方法、自由意思での研究参加、秘密の保持、個人情報とデータの管理方法、公表の機会があることを文書を用い口頭で説明した。【結果】回答率は85.7%。記述統計の平均値は、「震災に対する関心、心構え、情報収集の行動」3.3、「職員としての自覚と病院災害マニュアル」2.9、「震災時の基本的な知識・技術」3.2、「外来看護師として震災発生時の対応」3.5だった。質的帰納的分類により『震災訓練の必要性』『震災発生時に看護活動ができるかという不安』『看護師として震災に向き合う使命感と責任感の存在』『仕事とプライベートの間で揺れる気持ち』『震災時の行動指針を望む気持ち』の5カテゴリーを抽出した。【考察】「震災に対する関心、心構え、情報収集の行動」「震災時の基本的な知識・技術」「外来看護師として震災発生時の対応」の平均値から、外来看護師の日々の看護実践の経験が反映されていると察する。「職員としての自覚と病院災害マニュアル」の平均値が低いことと、カテゴリーのうち『震災訓練の必要性』『震災発生時に看護活動ができるかという不安』『震災時の行動指針を望む気持ち』に関連が考えられ、課題として病院災害マニュアルの充実による行動指針を用いた震災訓練の必要性が示された。また『看護師として震災に向き合う使命感と責任感』『仕事とプライベートで揺れる気持ち』から震災時に看護師とプライベートの間に葛藤が生じることが明らかになり、看護師個々が状況に応じた心構えを持つことも課題である。