第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演10群 災害看護

Wed. Nov 8, 2023 1:15 PM - 2:15 PM 第8会場 (G314+G315)

座長:村田 美和

[口演Y-10-2] 災害用伝言ダイヤル171のトライアル参加率向上に向けたオリエンテーションの改善

三好 真由美1, 内山 奈美恵1, 狩野 佳子1, 石栗 明子2 (1.前橋赤十字訪問看護ステーション, 2.前橋赤十字病院)

Keywords:災害、防災教育、訪問看護

【目的】災害用伝言ダイヤル171(以下171と略す)のトライアルに在宅療養者と家族が参加した理由、成果、パンフレットの有用性を明らかにし、トライアルの参加率向上に必要なオリエンテーションの内容・方法を考察し、改善に役立てる。【方法】研究対象:171のトライアルを利用できた13世帯の在宅療養者と家族。データ収集方法:参加した理由と参加によって得られた事、利用して良かった事を明確にする為の質問用紙を作成し、半構造化面接を実施した。データ収集期間:2022年8月。分析方法:面接記録の回答を意味内容の類似性に基づき分類しカテゴリ化した。倫理的配慮:A病院倫理委員会の承認後、対象者に研究目的・方法・結果の公表について説明し同意を得た。【結果】対象となる13世帯全ての在宅療養者と家族から回答を得た。171のトライアルに参加した理由は25サブカテゴリが抽出され、22サブカテゴリを分析対象とし、〈看護師に勧められた〉〈経験が無く体験してみたかった〉〈自宅が防災マップで浸水地域に入っている〉等の8カテゴリが形成された。成果は56サブカテゴリが抽出され、52サブカテゴリを分析対象とし、≪大変そうだと思ったがやってみて使えると思った≫≪年に何回か練習した方がよいと思った≫≪安心と自信につながった≫≪実際に災害時に使えるのか不安に思った≫≪すぐに覚えられない≫等の11カテゴリが形成された。パンフレットの有用性は49サブカテゴリが抽出され、44サブカテゴリを分析対象とし、[役に立った][171の手順が分かりやすかった][情報が多すぎて分かりにくかった][パンフレットを分かるところに置くことが大切][電話以外の方法が良いと思った]等の11カテゴリが形成された。【考察】171のトライアルへの参加率向上に必要なオリエンテーションの内容・方法について以下の事柄が示唆された。1.地域のハザードマップを利用した具体的な災害の提示をし、定期的にトライアルを行う。2.動画サービスの利用を検討する。3.録音に必要な名前、安否、避難場所をパンフレットに記載する。4.体験者の好意的な感想を織り込む。5.171の操作手順はシンプルに表記する。6.パンフレットは生活空間への掲示や、安心カード・災害時持ち出し物品と保管する。7.インターネットを使い慣れた世代に合わせた緊急連絡ツールの検討をする。