第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

口演

口演18群 精神看護②

2023年11月8日(水) 13:15 〜 14:15 第10会場 (G318)

座長:田上 美千佳

[口演Y-18-1] 「看護主任の活動を促す支援体制」構築とその評価

―副看護師長の取り組み―

塩見 瑶子 (鳥取県立厚生病院)

キーワード:看護主任、支援体制、目標管理

【目的】A病院B病棟では病棟目標の達成に向けた看護主任の役割が決まっておらず、役割に基づいた活動が不足していた。そこで、より効果的な病棟運営を目指し、「看護主任の活動を促す支援体制」を構築し実践した。今後の支援体制への示唆を得るために、今回の取り組みを評価する。【方法】対象はB病棟看護主任5名。病棟目標に関して看護主任の役割を5つの枠組に分類しリーダーを任せ、チームを構成した。看護主任が役割を意識し主体的に行動できるよう、目標管理の方法を活用した。目標設定や行動計画、評価指針の立案方法を指導し、責任をもって目標管理が出来るよう支援した。年5回主任会を開催し、進捗状況の確認や共有を行い、個別指導を実施した。研究期間は令和4年4月~令和5年3月、看護主任の活動を経過観察し、3月に4段階評価のアンケート調査を実施し単純集計を行った。倫理的配慮としてアンケートは無記名で回収し個人が特定されないようにした。【結果】看護主任は枠組に沿って自ら目標を立案し活動した。行動計画に沿った具体的な活動を示し部下への積極的な声かけや指導場面が増え、看護主任を中心としたチーム活動も増えた。また、困難な場面でも自ら相談行動をとり、必要なデータ収集と考察をしながら活動を継続し最終評価まで実践できた。アンケートでは、実践前の役割を「まあ実践していた」4名、「実践していない」1名と回答し、実践後は「よく実践できた」4名、「まあ実践できた」1名と回答した。自己成長は「とても繋がった」2名、「まあ繋がった」3名と回答した。感想や学びには「主体的に活動する必要性を学んだ」「目標管理を学んだ」「やりがいを感じた」とあった。しかし、看護主任の時間外勤務は増加し、自宅へ持ち帰り業務をする者もあった。アンケートでは負担感を「とても感じた」3名、「まあ感じた」2名と回答し、「時間がない」「多重課題」を要因として挙げた。【考察】この支援体制を導入して看護主任の活動は活発になった。役割を決め目標管理をしたことで自ら考察でき主体的な活動となり、チーム活動へも良い影響を与えた。看護主任自身も自分の役割に基づいた活動をより実践できたと感じ、自己成長と学びを得られ、主任育成に繋がった。よって、この取り組みは一定の効果があった。今後は、看護主任の負担感軽減のために活動時間の確保を検討し、より効果的な支援体制を構築していきたい。