[口演Y-19-3] B病棟看護師の退院支援実践能力向上にむけた取り組みの効果
―退院支援実践自己評価尺度を用いて比較する―
Keywords:病棟看護師、実践能力、退院支援
【目的】B病棟看護師の退院支援実践能力向上を目指し課題に取り組んだ成果を明らかにする【方法】A病院B病棟の看護師18名が対象「病棟看護師の退院支援実践自己評価尺度」を記述してもらい、点数の低い箇所の「社会資源の活用」を主とした勉強会を開催した。勉強会前後を在宅療養支援研修3受講修了者、未修了者に分けマンホイットニーu検定にかけ比較した。p<0.05をもって有意差ありとした。本研究はA病院倫理委員会の承認を得て実施、アンケートの回収をもって同意したものとした。【結果】勉強会後「社会資源の活用」4項目のうち「患者の在住する自治体のサービス内容」3受講修了者P値0.003未修了者P値0.011「往診や訪問看護の説明」3受講修了者P値0.018未修了者P値0.008「生活保護制度」3受講修了者P値0.017未修了者P値0.011の3項目で受講修了者、未修了者共に有意差がみられた。「介護保険の対象者、申請方法、サービス内容について」3受講修了者P値0.098未修了者P値0.125で有意差がみられなかった。【考察】「病棟看護師の退院支援実践自己評価尺度」の結果から勉強会を開催したことで受講修了者、未修了者ともに効果が認められた。「介護保険の対象者、申請方法、サービス内容について患者、家族へ説明する」の項目に有意差が認められなかったのは、B病棟では以前からこの項目の認識が低く、事前に「介護保険申請の流れ」について手順書を作成し、スタッフが分かりやすいよう掲示していたためではないかと考える。また、受講修了者は「社会資源の活用」についての知識は持ち備えているが、発揮されておらず勉強会をきっかけに再認識できたため有意差が生じたと考える。田淵¹⁾は「病棟看護師の現任教育の課題として、研修や勉強会などで得た在宅ケアに関する知識を実践に結びつけることの方策を検討する必要がある」と述べている。弱点を抽出しポイントを絞り勉強会を開催したことは受講修了者、未修了者ともに退院支援実践能力向上にむけた課題への取り組みに効果があった。今後も病棟スタッフの退院支援に関する知識を確認し、計画的に学習する機会を設けることで病棟全体の能力向上につながると考える。