第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演2群 ポストコロナ社会の看護への示唆~感染対策~

Wed. Nov 8, 2023 1:15 PM - 2:15 PM 第6会場 (G304)

座長:篠原 久恵

[口演Y-2-5] 若手看護師へ向けた新型コロナウイルス感染症のPPE着脱指導による介入効果

毛利 栞菜, 富岡 真紀子 (日立総合病院)

Keywords:新型コロナウイルス感染症、PPE着脱、院内感染対策、若手看護師

【目的】新型コロナウイルス(以下コロナ)の5 類感染症引き下げに備え、学習要望が高い1 ~ 3 年目の看護師(以下、若手看護師)に対してコロナ対応時のPPE 着脱指導を行い、コロナ対応の意識と知識・技術の変化を明らかにする。【方法】期間は2022 年9 月~ 11 月、対象はA 病院一般病棟・透析室所属の若手看護師104 名。前期アンケート(感染経路、PPE の使い分け、N95 マスク装着方法、PPE 着脱とコロナ対応の意識9 項目、5 段階評価と自由記述回答)と簡易テスト(感染経路、N95 マスク、PPE 着脱手順、グレード分類、ゾーニングについて記述式9 項目と選択式1 項目)を実施。結果を基にコロナ対応に関する勉強会(座学、PPE 着脱の実技)を自由参加で開催。実技は各グループ5 名前後で構成し、コロナ病棟看護師を指導者として1 名ずつ配置。参加困難な対象者へPPE 着脱の動画を追加した勉強会資料を公開。後期アンケートと簡易テストを実施。前期アンケート3 項目を勉強会参加後の理解状況を問う内容に変更し、結果を単純集計、比較分析した。倫理的配慮:本研究の参加は自由意志であり、アンケートとテストは無記名とし、不利益を生じないことを説明したうえで回答をもって同意とした。【結果】前期アンケート/簡易テストの回収率56%。感染経路・PPE 着脱の知識・経験不足による曖昧さ、自身の感染の不安が明らかとなった。勉強会参加者は56 名、非参加者へ動画資料を公開。勉強会非参加者含む対象者104 名へ後期アンケート/簡易テスト実施し、回収率48%/ 45%。感染経路やN95 マスクの正しい装着方法は90%以上が理解できたと回答。簡易テストの正答率は全項目上昇(4 項目は15%以上)。実技は全員が正しい手順でPPE 着脱を実施でき、自由記載で「正しく理解でき自信がもてた」「感染対策として自分や病棟を守るために重要」との意見が23%あった。【考察】本研究は、勉強会非参加者への匿名性を配慮し動画視聴の有無は聴取していなかったため、評価に限界はある。しかし、後期アンケートと簡易テストの結果から、勉強会や動画視聴を通し、曖昧だった知識・技術が明確化・向上し、自信をもって主体的に取り組む意識へ変化した。これは、正確なPPE 着脱の重要性やその根拠を理解できたことで、感染の不安を少なからず払拭できたからではないかと推察する。