第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演20群 住み慣れた地域に戻ることへの支援②

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM 第10会場 (G318)

座長:南里 玲子

[口演Y-20-2] 急性期病院と回復期病院との看看連携について

―定期的連携会議を通して―

瀧田 千恵美, 木村 公恵, 中本 美咲 (鳥取大学医学部附属病院)

Keywords:看看連携、連携会議、急性期病院と回復期病院

【目的】地域包括ケア体制の推進には医療機関等同士や多職種間の連携が重要である。看看連携をめぐっては、病院から在宅療養に移行する患者に対し、看護職が協働し専門性を発揮していくことの重要性の報告や、病院看護師と訪問看護師による看看連携行為の状況とその必要性の意識についての実態調査報告、病院と地域の連携では各機関の看護職の役割が重要との報告がある。しかし、急性期病院からは自宅退院だけでなく転院するケースも多い。そこで急性期病院と回復期リハビリテーション病院の看護師同士で定期的に連携会議(以下看看会議)を開催し、双方の課題の検討改善を試みたので報告する。【方法】対象:A県B圏域急性期C、D病院、回復期E、F病院。期間:2020年2月~2023年5月。毎月開催した看看会議議事録より課題と対策を抽出した。倫理的配慮:対象機関に対し文章で研究の趣旨、プライバシーの保護、調査結果は本研究のみで使用し個人を特定しないよう処理することを説明し同意を得た。【結果】看看会議で課題となった項目は1)転院先で継続すべき情報の不足2)薬剤管理 ・介助方法が不明確3)各病院からの申し送りやケア解釈の誤解を招いた文言を統一する必要性4)ケアを継続するための維持期に繋げるツールの必要性、であった。それらの対策として、急性期C、D病院看護連絡票の書式修正、急性期C、D病院・回復期E、F病院間での薬剤管理に関する文言の統一を図った。また、急性期病院から回復期病院への転院患者は脳卒中が多いことから、共通の脳卒中再発予防パンフレット作成、そのパンフレットに基づいた指導者用資料作成、運用方法や記録項目を検討、維持期に繋げるツールを作成し、看看会議の参加病院で運用を開始した。【考察】急性期病院と回復期病院が双方の課題や連携について協議することで、それぞれの病院の立場で一方向しか見えなかった課題を多面的に捉えることができた。A県B圏域の一部分ではあるが、連携した病院間で患者支援がスムーズに移行できることを目標に仕組みを整えることができた。脳卒中再発予防においては、シームレスな看護提供が重要且つ急性期・回復期の医療機関から維持期までの連携が不可欠であり、この看看連携を地域包括ケアシステム構築の一助とし、B圏域での医療・福祉・介護の発展に繋げていきたい。