第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演23群 疾病とともに暮らすことへの支援①

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM 第11会場 (G319)

座長:岡田 理津子

[口演Y-23-4] 塩分管理指導に対する看護師の意識変化の調査

―指導パンフレットを用いたスタッフ教育を実施しての考察―

平江 直也, 山口 晃平, 吉田 心玲 (東海大学医学部付属八王子病院)

Keywords:心疾患、指導パンフレット、腎疾患、塩分管理、意識変化

【目的】指導パンフレットを用いてスタッフ教育をすることでスタッフの患者指導への意識の変化を明らかにする。【方法】1.研究対象者:B病棟看護師。2.循環器内科医・腎内分泌代謝内科医と協同作成した指導パンフレットを元に教育し、アンケートを実施した。3.アンケートは全3大項目、1)属性:看護経験年数・1年目・2-4年目・5-8年目・9年目以上とした。2)指導パンフレットによる意識の変化3)指導パンフレットによる今後の課題を4件法で回答を求めた。4.データの分析方法:アンケートの結果をMicrosoft Excel for Windows2010にて単純集計とした。5.倫理的配慮:対象者へ研究の趣旨とプライバシー保護・自由意思を説明し、 A病院の倫理審査委員会による承認を得た。【結果】回収率81.3%であった。1)属性:看護師経験年数は1-4年目が61.5%。2)指導パンフレットによる意識の変化は「塩分指導は難しい」「塩分指導に自信がない」「患者に対する塩分指導パンフレットが必要である」の項目で改善を認めた。3)指導パンフレットによる今後の課題として「塩分管理が必要な患者にすぐに指導できる」では約20%のスタッフが出来ないと回答し、そのほとんどが経験年数4年目以下とわかった。【考察】心疾患・腎疾患共に、塩分管理が必要であると回答したのは100%であり、塩分管理の必要性を理解している。看護師経験年数は4年目以下が60%以上で、指導に対する難しさを感じ、自信がないという意見があった。これらの問題を解決するため、標準化した専門性のある指導パンフレットを用いて指導のポイントを説明した。その結果、塩分管理における知識が増え、指導内容をイメージすることができたため、自信となり、指導への難しさの軽減に繋がった。心臓と腎臓のいずれかに機能障害が起こると、一方にも影響して機能障害を起こすことがある。心疾患と腎疾患の共通危険因子が多く、中でも塩分管理に焦点を当てた指導は必要であると考える。しかし、塩分指導が必要な患者にすぐに指導ができるという問いに対しては、あまり思わないと答えたスタッフは19.2%だった。そのスタッフの経験年数は4年目以下がほとんどであり、指導に対する経験不足や知識不足などが考えられる。そのため、経験年数浅いスタッフには、知識量・応用力を高める指導が必要であると考える。