第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

口演

口演23群 疾病とともに暮らすことへの支援①

2023年11月8日(水) 14:30 〜 15:30 第11会場 (G319)

座長:岡田 理津子

[口演Y-23-6] 血液透析患者への運動療法に対する意識調査

横山 由貴, 白川 優見子 (市立砺波総合病院)

キーワード:血液透析患者、運動療法、意識調査

【目的】血液透析患者のサルコペニアが危惧され、その改善に透析中の運動療法が注目されている。運動療法を導入する上で患者の想いを知ることは重要と考え、運動療法の希望と関連する属性を明らかにし、透析中の運動療法における看護の示唆を得ることを目的とした。【方法】令和4年運動療法未導入のA病院血液透析患者88名(平均年齢67.8±11.1歳、平均透析歴8年7ヶ月±7年9ヶ月)に対し、独自に作成した無記名自記式質問紙調査を実施。調査項目:属性(年代、性別、透析歴、身体不都合の有無・内容、運動習慣の有無・内容)、サルコペニアスクリーニング(Kurita Nら作成)、透析患者への運動療法を知っているか、運動療法の希望の有無(希望あり:理由・どこで運動したいか・どんな運動をしたいか・望み、希望なし:理由)。分析方法:記述統計、各属性・サルコペニアスクリーニングと運動療法の希望に関連があるかχ2検定。質問紙配布時に口頭と書面で説明、質問紙への回答をもって同意を得たものとした。【結果】回収83名、有効回答81名。身体不都合あり76.5%(腰痛・息切れ等)、運動習慣あり24.7%(散歩等)、サルコペニアスクリーニング陽性者40.7%。運動療法を知っている28.4%。運動療法の希望あり66.7%。各属性らと運動療法の希望に関連はみられなかった。運動療法希望ありの理由:「どんな運動が良いか知りたい」「運動習慣がないため」等。どこで運動したいか:「自宅」「透析室」の順。どんな運動をしたいか:「有酸素運動」「筋力トレーニング」等。運動療法を受けての望み:40・50代「筋力をつける」、高齢になると「転ばないようにする」が多い。運動療法希望なしの理由:「透析中は休みたい」「身体が疲れる」等、そのうち運動習慣がある者は「必要性を感じない」、運動習慣がない者は「身体が疲れる」「痛い所がある」の回答が多かった。【考察】運動療法の希望は患者属性や運動習慣、身体状況と関連がみられないことから、先入観をもたず運動療法導入の促しができるとわかった。運動療法の希望がある者の望みには年代で特徴がみられる等、対象に応じた目標設定を支援することが望ましい。運動療法の希望がない者へは生活背景や身体状況をふまえ個別の動機づけを行う必要がある。透析患者への運動療法を知らない患者が多いため必要性と内容を説明する機会が必要である。