[口演Y-24-2] A病院のペインクリニックに通院する患者の痛みに対する認識と心理状態
Keywords:痛みの認識、自己効力感、破局的思考、不安、抑うつ
【目的】ペインクリニックに通院中の患者にアンケート調査を行い、痛みに対する認識と心理状態を明らかにする。【方法】1.対象:ペインクリニックに通院する痛みを主訴に神経ブロックを施行している患者140名2.研究方法:対象となる患者が来院した際に本研究の目的と方法等の説明を文書と口頭にて行い自記式無記名アンケート協力調査用紙を配付。3.分析方法:1)破局的思考の評価尺度(以下PCS)の3因子「反すう」「無力感」「拡大視」13項目、痛みに対する自己効力感評価尺度(以下PSEQ)の10項目、身体症状をもつ方の不安と抑うつの評価尺度(以下HADS)の不安(以下HADS-A)7項目、抑うつ(以下HADS-D)の7項目の得点を算出。2)集計結果は、統計ソフトSPSSⓇVer.28を用いて分析。3)Spearmanの相関係数を用いて、痛みの強度数値評価スケール(以下NRS)と属性、「反すう」「無力感」「拡大視」、PSEQ、HADS-A、HADS-Dとの相関分析を行った。4)NRSに強く影響しているものを評価するためにステップワイズ法による重回帰分析を行った。5)自由記述項目は、単純集計を行った。倫理的配慮::自由参加であり不参加や中断でも不利益はないと口頭及び文書で説明しアンケートは無記名の配慮をした。【結果】140人に調査用紙を配布し138人分の回収が得られた。回収率:98.6%有効回答:103人有効回答率:74.6%1.痛みの認識の評価結果:最多値がNRS:7に17人(16.5%)2.PCS「反すう」が高い(18点以上):22人(21.4%)低い(6点未満):5人(4.9%)3.自己効力感の評価結果:自己効力感が低い(20点未満):13人(12.6%)4.身体症状のある人の不安と抑うつの評価結果:不安と抑うつがある人と疑いのある人は全体の約40%5.NRSと関連が強い項目は、「無力感」「反すう」「拡大視」「不安」「「抑うつ」の順であった。NRSとの影響が強く示されたのは「無力感」であった。6.痛みを強く自覚する状況は、「1日中」「運動歩行」26人(24.2%)【考察】外来看護師は、患者が無力感を自覚しないように過ごせることを目的に、その人らしく生活できる社会的役割や趣味・楽しみを一緒に見出したり、初診時から痛みの認識と心理状態や在宅での生活の情報収集を行うことが必要だと考える。