第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

口演

口演26群 せん妄への対応

2023年11月9日(木) 09:00 〜 10:00 第6会場 (G304)

座長:杉本 環

[口演Y-26-1] A総合病院内科病棟におけるナースコール・センサコール呼出頻度の実態調査

―ナースコールシステムデータを業務改善につなげるために―

佐久間 祐樹 (川崎市立川崎病院)

キーワード:ナースコールシステムデータ、業務改善、せん妄、ビッグデータ

【目的】A総合病院内科病棟のナースコール・センサコールを多く押す患者を把握し、ナースコール・センサコールを押す時間を加えた実態調査を行い、ナースコールシステムデータを業務改善につなげる事を目的とする。以下NC呼出とはナースコール呼出とセンサーコール呼出を合わせた呼出とする。【方法】A総合病院内科病棟のある1ヶ月間、ナースコールシステムから、NC呼出患者ID・NC呼出種別・NC呼出日時のデータを収集した。収集したデータからNC呼出回数10回/日以上の患者を特定患者として抽出した。特定患者については年齢、認知症の有無、終末期医療が必要であるか、緊急入院であるかについてカルテ上から情報収集を行った。集計後、患者IDはアルファベッドに変更し、患者が特定されないよう配慮を行なった。【結果】総NC呼出回数は6554回で入院延べ患者数は1009名であった。特定患者は延べ197名で全体の19.5%、特定患者の総NC呼出は4562回、全体の69%であった。特定患者延べ197人は32名の患者で構成され、平均年齢は76±13歳で、認知症の診断がある患者が9名、終末期医療が必要である患者が9名であった。緊急入院は26名に該当した。特定患者の総NC呼出4562回をナースコール・センサーコールそれぞれの時間帯別呼出回数を集計した。ナースコール・センサーコール共に16・17時がピークとなり、センサーコールにおいては16時~19時の間に多く呼出があった。【考察】特定患者が、高い頻度でNC呼出を行っていた。ナースコールシステムを活用することで、特定患者を把握し、患者に対応しやすい環境整備やNC呼出が多くなってしまう理由は何か、患者のニーズを把握できるような介入が必要である。ナースコール・センサーコールの時間帯呼出回数は、センサーコールについては16時を最大で19時まで多くの呼出が起きており、せん妄の特徴と類似していた。また認知症9名、終末期の患者9名、緊急入院は26名に該当した。認知症もせん妄リスクとなり、終末期医療では麻薬の使用、全身状態の悪化がせん妄リスクとなる。緊急入院も予期しない入院、環境の変化、全身状態の悪化によりせん妄リスクが高いと考えられる。NC呼出時間別回数を参考にし、遅番などを活用することで、ナースコールデータにあった時間に勤務時間を当てることが業務改善につながる可能性がある。