[口演Y-3-4] 病棟再編を経験したA病棟看護師の適応要因
―プラスに作用したこと―
Keywords:病棟再編、適応要因、病棟看護師
【目的】A病棟は主に整形外科と軽症・中等症の専門的な治療・検査を要さない内科の混合病棟であった。コロナ病棟開設にあたり重症の専門的な治療・検査を要する内科患者の受け入れが始まった。この再編に対し「大変」という声もあったが、今日まで対応してきた。そこで本研究は、A病棟看護師が病棟再編に適応できた要因及びプラスに作用したことを明らかにする。【方法】対象:病棟再編前後を経験し研究に同意を得られたA病棟看護師6名、データ収集期間:2022年12月26日~28日、データ収集方法:独自に作成したインタビューガイド(質問は適応要因、病棟再編を経験しての効果等5項目)に基づき半構造化面接を行い、質的帰納的に分析した。倫理的配慮:研究対象者へ研究目的や方法、対象者の匿名性の確保、研究への参加は自由意思であり不参加による不利益がないこと、データは研究以外で使用しないこと、データの管理方法等について説明し同意を得た。【結果】対象者6名の内訳は女性5名、男性1名で、看護師経験平均年数18.3年、A病棟経験平均年数5.7年、インタビューの時間は平均約12分/人であった。分析の結果、適応要因として<師長の働きかけ><元内科病棟スタッフからの教授><師長の精神的サポート><スタッフが相談できる人の存在><築いてきた関係性・安心感><病棟スタッフ全員で学習していく雰囲気><軽症・中等症の内科疾患看護に関する経験の活用><経験からの学習><看護師としての使命感>の9カテゴリが抽出された。【考察】適応要因は他病棟との連携、病棟内のチームワークの良さ、必要な知識・技術の習得、看護師としての使命感という4つの特徴を示していた。良好なチームワークが、新たな看護技術の習得や奮起につながったといえる。病棟再編によりプラスに作用したことは主に3点で、1.他病棟の協力もあり新たなことを知る喜びから適応への自信を持ち、充実感を得られたこと、2.互いに教え合い、業務を円滑に進めるためにコミュニケーションをとっていたこと、3.新たな看護を経験する中で視野が広がり、全身状態の観察が強化されたこと、が挙げられた。一方で、業務量増加により整形外科患者の観察、確認不足を生じている等の課題も明らかになった。