第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演33群 業務改善に向けた取り組み

Thu. Nov 9, 2023 2:30 PM - 3:30 PM 第7会場 (G312+G313)

座長:加藤 千恵

[口演Y-33-5] ケアミックス型病院でのコールの呼び出しの実態

―患者にあわせたケア提供に向けて―

谷口 きり子, 小柳 優美子, 松原 薰 (潤和会記念病院)

Keywords:ケアミックス型病院、業務量調査、ナースコール

【目的】入院患者の高齢化が進み、転倒転落リスクの高い患者の増加、認知症患者の増加に伴う頻回なナースコール/センサーコール(以下NC)の呼出は増大傾向である。病棟別のNC 呼出回数の傾向が把握出来れば、業務中断の軽減が可能になる。又、離床センサーの使用は、鳴り続けるNC に対応しきれない現状もある。そのため、NC の呼出回数・内容の調査、把握を行い、先手の看護実践に繋がる内容や頻回な呼出発生状況の実態を明確にし、看護を提供するための業務のあり方を検討する。【方法】7 病棟(急性期病棟3 病棟、回復期病棟2 病棟、地域包括ケア病棟、緩和ケア病棟)にて2022 年11 月4 日~ 11 月14 日の内1 週間を調査期間とし、調査方法は自計式タイムスタディとした。今回の調査はファーストステップとして調査にかかる業務負担を考慮し、NC 呼出回数の多い日勤帯(8:30 ~ 17:00)に実施した。倫理的配慮として、調査票には目的と内容、プライバシーポリシーを明記し、調査票の回収をもって調査協力への同意を得たものとした。【結果】NC 総件数(センサー件数)は、急性期A 病棟438 件(136 件)B 病棟691 件(267 件)C 病棟165件(58 件)、回復期D 病棟626 件(151 件)E 病棟532 件(122 件)、地域包括ケアF 病棟681 件(231 件)緩和ケアG 病棟606 件(48 件)であった。センサーコールの正確性は、A 病棟83.1%、B 病棟30.7%、C 病棟74.1%、D 病棟11.9%、E病棟85.2%、F 病棟43.4%、G 病棟95.8% であった。NC 内容(トイレ%/点滴%)は、A 病棟(28 / 15)B 病棟(47/ 5)C 病棟(47 / 6)D 病棟(50 / 0.3)E 病棟(67 / 0)F 病棟(34 / 4)G 病棟(22 / 4)であった。【考察】回復期病棟、地域包括ケア病棟はトイレのNC、緩和ケア病棟はトイレ以外のNC、急性期病棟はNC だけでなく、センサーによるNC が多いことが明らかとなった。これらは、入院患者の高齢化に伴い、併存疾患、フレイル、認知機能減退等の高齢者特有の健康課題を持つ患者が増加し、更に各疾患の管理や日常生活の支援が看護職に求められていることが明確であると考える。そのため、患者のニーズを予測し、先手の看護実践に繋げることが重要である。また、使用するセンサーの種類や設置方法を多職種で検討し評価する必要があると言える。