第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演35群 看護管理者等の実践・能力

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM 第8会場 (G314+G315)

座長:渡邉 眞理

[口演Y-35-3] 認定看護管理者の実践

―実践報告書の共起ネットワーク分析から―

泊野 香, 矢澤 祐貴, 鹿島 嘉佐音, 山西 雅子, 木澤 晃代 (日本看護協会)

Keywords:認定看護管理者、活動内容、テキストマイニング

【目的】認定看護管理者(以下CNA)の活動内容を明らかにし、CNA のカリキュラム検討に資する基礎資料を得ることを目的とした。【方法】対象:2019 年~ 2021 年の3 年間に日本看護協会が実施したCNA 認定更新審査で実践報告書の評価がA,B であった1,022 名を対象とし、同意が得られた全員の実践報告書1,022 件のテキストを対象とした。実践報告書に求められる記載内容:「a.テーマ、b.課題とその背景、c.取り組みの目的、d.取り組んだ期間、e.課題達成のための計画、f.実践経過・結果、g.考察」で、報告書1件あたりの文字数 は、2,600 文字以上2,800 文字以内である。分析手法:テキスト分析KH Coder 3 を使用し、分析は、形態素解析、単語頻度解析を行った。共起ネットワーク分析は、実践報告書に記載されているすべてのデータに加え、施設病床数、職位、更新回数をサブデータセットとして分析した。さらに、実践報告書内容の「実践経過・結果」のテキストのみを対象とした共起ネットワーク分析を実施した。倫理的配慮:分析開始前に分析対象者を含む全CNA に、研究の目的・方法、個人情報の取り扱い、分析対象からの除外の申し出方法等を記載した書面を示した。【結果】実践報告書に記載されたすべてのテキストデータの共起ネットワーク(全体)の関連性から、CNA は、「急性期」において「医師」や「他職種」と「協力」し、なんらかの「調整」または「構築」をしていること、「地域」と「情報共有」を行い「つながり」を「支援」または「推進」し、「機能」を「強化」が共起していた。実践報告書に記載された「実践経過・結果」のテキストデータの分析では、500 床以上の病院に所属するCNA は、「システム」の「整備」や「基準」の「構築」「周知」など、組織の仕組みづくりを実践していた。99 床以下及び100-299 床では、「経営責任者」や「地域」との関連がみられ、「地域」への取り組みをより重点的に行っていた。【考察】実践報告書全体の共起の結果は、認定更新審査の手引きに記載の「審査の視点」にある、CNA としてふさわしい取り組みとした内容が記載されていた。実践計画書の「実践経過・結果」の共起ネットワークでは病床規模が小さいほど地域との関連がみられたことから、病床規模の大きさに関わりなく、地域とのつながりが強化できる実践ができるようなカリキュラム検討の必要性について示唆が得られた。