第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演36群 看護の体制整備

Thu. Nov 9, 2023 1:15 PM - 2:15 PM 第8会場 (G314+G315)

座長:竹﨑 和子

[口演Y-36-2] 業務量調査から分析した少人数制の固定チームナーシング効果

村本 由紀, 加治 江利子, 前畑 佳永子, 柏嶋 由香里 (射水市民病院)

Keywords:固定チームナーシング、業務量調査、カンファレンス

【目的】A病院B病棟の看護師の勤務形態は3交代制で、2チーム体制の固定チームナーシングを行っている。夜勤帯は3名で業務を行うことから、2チーム体制では異なるチーム患者の看護や業務の引継ぎを行う必要性が生じるため、業務の効率性低下につながる可能性が考えられた。そこで令和3年10月から、効率的な患者情報の収集と申し送り時間の短縮を目指し、固定チームを2チームから3チーム(少人数制)に変更した。今回、3チーム編成前後に業務量調査を行い、その効果を検討した。【方法】B病棟の日勤看護師に、日本看護協会看護業務区分表における看護行為分類1の35項目を使用し、A病院が行っている看護行為を一部追加した調査票を用い業務量調査を行った。調査はチーム編成前後(令和3年度、令和4年度)に3日間ずつ行い、業務に費やした時間を対比した。対比方法は正規分布に従うものはアンペアt検定を用い、従わないものはMann-Whitney U検定を用いた。また2群間の比率の比較にはフィッシャーの正確検定を用いた。本研究データは個人が特定できないよう配慮し、得た情報は研究以外で使用しない。【結果】調査期間におけるB病棟の平均入院患者数は令和3年度32名、令和4年度は34名であった。また調査対象の看護師数は令和3年度26名、令和4年度19名であった。看護師1名当たりの業務時間の変化に関して、「NS間の報告、申し継ぎ」において夜勤帯から日勤帯および日勤帯から夜勤帯への「申し送り」時間の合計は平均で、47.9分/人から41.1分/人に低下する傾向(P=0.064)にあった。また「カンファレンス」に参加した人数の割合は35%から74%と有意に増加(P=0.016)し、カンファレンスに参加した時間の中央値も0分から10分へ増加する傾向(P=0.079)にあった。【考察】夜勤帯の勤務者数に合わせて固定チームナーシングを3チーム編成とする事で、申し送り時間が短縮する傾向にあり、カンファレンスに参加する時間的余裕が生まれていた。またカンファレンスに参加する人数が有意に増えたこと、参加時間が延長する傾向にあったことは、受け持ち患者の情報共有を促進させ、申し送り時間の短縮に影響した可能性もあり、好循環を生んだかもしれない。以上より、適正なチーム編成は「NS間の報告・申し継ぎ」を円滑にする可能性が示唆された。