[口演Y-38-6] 急性期病院の循環器内科病棟における看護師のストレス実態調査
Keywords:ストレス、急性期病院、看護業務
【目的】A 病院で定期的に実施しているストレスチェックで、循環器内科病棟(以下B 病棟)では2017-2020 年度の自覚的な身体的負担、心理的負担が事業所平均より高く、対人関係・職場環境のストレス項目では良好な結果であった。B 病棟では人間関係より業務内容がストレス要因となっていると考えた。そこでA 病院B 病棟の看護師がストレスを感じている業務内容の実際を明らかにし、業務改善の示唆を得ることを目的に本研究を行った。【方法】研究の同意が得られたB 病棟看護師21 名を対象にグループインタビューを実施した。内容は逐語録に書き起こし、①意味の通る最小の文にし②類似内容の文をまとめ③さらに②を繰り返し④適切なカテゴリー名をつけた。対象者には、個人の特定に繋がらないよう配慮することを文書で説明し、同意を得た。【結果】コード数455、サブカテゴリー数42、カテゴリー数10 であり、 「過密な時間管理(10)」「曖昧な多職種との相互業務分担(6)」「多様な患者・家族対応(5)」「難渋する管理業務(5)」「複数の入院受け入れ(4)」「膨大なナースコール対応(3)」「看護師間の引継ぎによる業務量の増加(3)」「時間を要す医師への報告・連絡(2)」「コロナ禍により変化した業務(2)」「怒涛な日々の中での後輩育成(2)」が抽出された。【考察】循環器内科の特性として、緊急入院を含む「複数の入院受け入れ」、モニター管理やセンサー装着中の患者の「膨大なナースコール対応」に追われ「過密な時間管理」がストレスであった。また、「曖昧な多職種との相互業務分担」により、薬剤業務や電話対応などに加え、クレームやニーズの高い家族、見守りが必要な「多様な患者・家族対応」が看護師に集中した。「難渋する管理業務」では安全な病床管理や能力に応じた看護師の割当てなども行っていた。「看護師間の引継ぎによる業務量の増加」は、多様な勤務形態に伴い都度引継ぎが生じ、引継ぎを受ける側のストレスであった。また、「時間を要す医師への報告・連絡」による業務停滞や、「コロナ渦により変化した業務」により電話や荷物対応に伴う業務中断が生じ、このような「怒涛な日々の中での後輩育成」に困難が生じていた。多職種との連携を強化し、「曖昧な多職種との相互業務分担」の見直しを行うことで、「過密な時間管理」の緩和に繋がることが示唆された。